シスターズ、アレをやる
174-①
武光達の前に姿を現れたシルエッタは、足下で折り重なるように倒れ伏しているシスターズの三人に視線を落とした。
「何という
相変わらず、慈愛に満ちた表情から繰り出される冷酷な言葉にシスターズの顔は青ざめた。
「ちょ……ちょっと待ってくれよ!!」
「私達を……廃棄……?」
「わ、私……まだ全然全力を出してないから、ね♪」
「そう? それなら今すぐ全力を出して自分達が失敗作ではないという事を証明して見せなさい」
シルエッタに冷酷な視線を向けられた三人は、必死に傷付いた体を再生させた。
「い、行くぞ02!! 03!!」
「……お待ちなさい、貴女達」
再び武光達に襲いかかろうとしたシスターズの三人をシルエッタが呼び止めた。
「私は……『全力を出せ』と言ったはずですよ?」
意味深なシルエッタの言葉に、シスターズは互いに顔を見合わせた。
「まさか……!!」
「アレをやれと……?」
「冗談ですよね……ね♪ だってアレは──」
「あら? 私の命令に背くだなんて……やはり貴女達は失敗作として廃棄しなくてはならないのかしら?」
小首を傾げながら優しく微笑むシルエッタであったが、その言葉には『命令を拒む事は許さない』という、断固とした冷徹さが込められている。
「……くっ!! やるぞ……02!! 03!!」
「本気なの?」
「だって──」
「私達が生き残る道は……アレを使って、コイツらを一気に抹殺するしかねぇ!!」
01の言葉に02と03も覚悟を決め、三人は改めて武光達と対峙した。
「やるぞ……02、03!!」
「二人共、私の足を引っ張らないでくださいね?」
「さ、張り切っていっちゃおー♪」
身構える武光達を前に、カイコウオウ03は鮫と化した両腕を床につくと、そのまま逆立ち状態になり、その姿を変貌させてゆく。
「な、何やアレは……人間の……下半身!?」
「アニキ!! アレを!!」
フリードが指差した先ではリクシンオウ02の姿が巨大な獅子の頭部へと変貌を遂げていた。
獅子の左右の側頭部から太い円筒状の物体が生えてきたかと思うと、棒の先端が “ギュルルル!!” と回転しながら尖ってゆき、最後に先端から五つに割れて手を形成し、更に円筒自体も自体も徐々に形を変えて、巨大な腕を形成した。
「アレは……首無しの上半身!?」
唖然とする武光達の眼前で、宙に浮くリクシンオウ02が変化した上半身に、カイコウオウ03が変化した下半身が跳び上がって融合した。
「あっ……武光様、あれを!!」
リクシンオウ02とカイコウオウ03が合体した首無し巨人の背後から、巨大な
飛来した01はそのまま背部に融合すると、最後に巨人の首の位置に巨鳥の頭部が乗っかった。
「ウソやろ……合体しよった……」
度肝を抜かれ、唖然とする武光達の前に、二対四枚の翼、先端が槍のように尖った長い尻尾、そして、胸に獅子、両脚に鮫、更に
「見たか!! これぞ……空を裂き!!」
「陸を震わせ!!」
「海を荒らす
「「「融合聖獣!! 《サンガイハオウ》……見参ッッッ!!」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます