　ナマズ界のアイドルとも言うべき存在。

　特徴的な２本の長いヒゲや大きな口と目は日本のナマズとよく似て愛嬌がある。それでいて乳白色の体にキリンのような黒い模様が散らばっているさまは、こんな奇抜な配色でありながらナマズの魅力を凝縮したかのようである。特にナマズらしいフォルムでありながらその中でも小型であるため、ナマズが好きな方にはたまらないサカナなのではないのだろうか。

　本種の注意点としては水質の変化に弱いために導入直後や大規模な水換え直後に弱りやすいのでその際にはしばらく注意して観察してやる必要がある。特に導入時には水合わせを慎重に丁寧に行うこと。

　また、本種はナマズらしいナマズの姿をしているだけあって夜行性で日中は隠れられる場所で寝ている。この寝床はできるだけ暗い場所が良いので水草を繁茂させるのも手だが、それよりも本種のサイズに合う熱帯魚用の土管やスペースのある流木等が本種のストレスのない休息場所になるので事前に用意しておくこと。ただ、隠れる場所があると夜行性なのもあって普段は全く姿を見ることはないだろうが、水槽専用に使う照明設備を午前中に点灯せずに日が暮れるくらいから飼育者が就寝する少し前まで点灯するようにすれば明るい水槽内で泳ぐ本種の姿を見ることも可能である。だが、そこは本種の生活サイクル次第なので飼育者がうまくつきあってあげるしかない。

　混泳は不向きだが可能。本種が日中静かに眠ることができる水槽ならば混泳は可能であるものの、口に入るような最小サイズのサカナやエビなどは近くを通りかかった際に食べてしまう可能性はあるので、これらを混泳させる場合には水草を繁茂させて避難場所をつくったうえである程度の被害はあると考えること。また、水槽下層を生活圏にするサカナを大量に入れると本種の寝床にそれらのサカナが邪魔しにきてストレスのもとになるので、下層を泳ぐサカナの数は調整するように。

　おまけとして、本種は脅威のない環境下だと体を横にして休んだりと、他のサカナならば死んでいるかのような体勢で眠ることがあるが寝床でその様子ならばリラックスして眠っているだけなのでたたき起こさないように。