リネロリカリアレッド

 枝に擬態しているらしく、ものすごく細長い奇妙な底物のサカナ。

 知名度としては近縁なファロウェラの方が有名だが、こちらのほうが小型で成長が止まるといわれているのでこちらを紹介する。


(以下2019年10月19日加筆・修正) 

 ロリカリアの仲間……というより見た目はオトシンクルス、食性はコリドラスと言ったほうが参考になるだろうか。そのため、オトシンクルスのように水槽のコケを食べないという情報が寄せられたので、必ず本種の飼育時にはエサも併せて購入しておくこと。

 ファロウェラを熱心に飼育されている方が見つけてきた論文には、この仲間はプランクトンなどを主食としており、雑食だが肉食(昆虫や微生物)の傾向が強いとのことである。なので、オトシンクルスのようにプレコタブレットを与えるのではなく、ナマズのような肉食系のエサであるキャットタブレットや雑食性向けのコリドラスタブレットのほうが望ましい。


 混泳に関してリスクは低い。サイズは最終的に10cmを越えることが多いものの、そのサイズの大半が異常なほどにまで細長い胴体であり体の主要部分や口自体は小さいので、中型魚以上のように扱う必要のある小型熱帯魚とでもいうべき変わったサカナである。なので水槽のサイズは大きいに越したことはないが、水槽底面に広くスペースを取れば小型熱帯魚との混泳も問題ないだろう。

 注意すべき点としては本種は昆虫のナナフシが如く枝に擬態し、エネルギーの消費を抑えながら生活しているサカナなので、過密気味で騒がしい水槽だと本種のストレスになることは目にみえているので避けること。また、流木など本種がその近くで休めるような環境があると長生きしてくれることだろう。特に本種が身を隠せる空間のあるモノが望ましい。


 おまけとして、本種以外のこの仲間は中型魚クラスになることが多いが混泳の面ではプレコほどのリスクはないだろう。さらにいえば、グリーン・ファロウェラはファロウェラの名前こそ付いているが、種類としてはオトシンクルスに近いことから草食性が強く世話をしやすいので、水槽のサイズに余裕があればこちらも候補になる。

 

 最後に本種独特の問題点をあげるとすれば、本種をはじめとするファロウェラの仲間はオトシンクルスやプレコ同様にガラスに吸い付くのだが、細長いうえに腹側を見せられると何も知らない人には、巨大なヒルかパラサイトな生物が張り付いているようにしか見えないので、お客様の気分を害さないように来客時には水槽に覆いが必要になるかもしれない。

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