怪獣
中立のモンスターにも種類がある。
陸生のもの、水生のもの、
攻撃的なもの、温厚なもの、
反撃してくるもの、逃げるもの、
様々だ。
だが一つだけ共通していることがある。
殺すと殺した者に何かしらメリットがあるのだ。
それは怪獣側だけではない。
生存者側にも、いいことがあるのだ。
それはとどめを指したものに与えられる強化スキルだ。
効能こそランダムであるが、例えば『1分間攻撃力があがる』だったり、『防御力が上がる』だったり、
運が良ければ『一定時間相手を可視化する』なんてものもある。
ただ中立のモンスターも種類に関わらずどれもそれなりに強い。
小型のものですら人よりは大きいし、
生存者側なら素手で倒すことはまず不可能と言っていいほど。
拳銃や刃物、弓矢などのフィールド内に落ちていたりする武器を使って複数人で挑んでやっと倒せるレベル。
野生の熊や象なんかを思い浮かべると想像に難しくないだろう。
そんなモンスター達だ。
だから生存者は、基本的に中立のモンスターには手を出さず、関わらないのが得策としている。
しかし怪獣側にとっては話は違う。
生存者側にとっては強敵に他ならない中立モンスター達だが、オリジナル含む怪獣にとっては餌に他ならない。
ステージ3となり、体長10メートルオーバーとなった生物にとって自分の体の三分の一以下の中立モンスターは何体まとまっても雑魚モンスターだ。
むしろ食って経験値、殺して強化スキル取得といいことづくめ、
基本余裕がある時に目の前にあらわれたら真っ先に襲う対象となる。
そして今回、
残り一つ魔法陣を書き換えられると生存者に逃げられてしまう状況。
だが、たまたま周回ルートにちょうどいい感じの中立モンスターがいたのだ。
殺して食うのに約1分。
すでに何周か周回したが、どの魔法陣も生存者が触った形跡はない。
最初は余裕がなく焦っていたオリジナルも、これにはさすがに疑問を持つ。
"あいつら何か企んでいるな"と。
そしてその企みこそ何かは分からないが、相手が少なくとも魔法陣に触る気がないとなると、オリジナルには余裕ができる。
そこへあらわれた餌。
狩らない理由がなかった。
そして狩をし、獲物を追い詰めたオリジナル。
すでに獲物は瀕死。
あと軽く切りつけるだけで死ぬだろう。
そして射程に入った。
その時……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます