第342話

「例えば、ペナルティ・エリア内でハンドをして、審判が見逃したとするよねぇ。」

 ショーリはジェスチャー付きで説明をした。


「またサッカーで例えるの…?」

 女子に解るかよ。


「普通なら、誰も自分がハンドをしたなんて言わないンだけど…、イチゴなら、自らハンドしましたって自供するンだよ!!」


「え…?」

「例え、それでPKになって負けたとしても…、自らのあやまちを黙認するのをよしとしない…。そういう人間なんだよ!!」


「別に…、それじゃまるでバカ正直じゃない。」

 私はすぐさま反論した。


「そ、融通の利かないバカ正直なのが、イチゴだからさ!!」


「そりゃぁ、言い過ぎだよ。

 私だって……。」


「渇しても盗泉の水は飲まないか…。」

 サンタが自嘲気味に笑った。


「盗泉のって、別に商標権を盗んだ訳じゃ……。」

 さすがにゴンちゃんも眉をひそめた。




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