第42話 魔法円

魔方陣という物が、昔から、日本の物語などで、語られることがあるが、

実際には、そんなものは存在しない。

魔法円を誰かが間違って、魔方陣としてしまったことから、

造られた言葉である。

万国共通の言葉ではなく、一部の日本人が使ってる架空の言葉だ。


では、魔法円とは何か?

西洋式魔術において、床に描いた円の事をいう。

決して空中展開なんて、されることはない。

そんなものは、日本の空想世界だけだ。


VFGXでは、開発スタッフが変なとこでリアルに凝る事がある。

だから、魔方陣もゲーム内には存在していない。


カラットは、クレインの攻撃でかすり傷を負いながらも、致命傷を

負う事なく避け続けた。

そして、カラットは、ステップを踏み始めた最初の位置へと戻った。


「終わったわね。」

パルコが言った。

会場でも、理解してたのは、パルコくらいだった。


「なるほどねえ。随分マニアックなもの使うんだね。」

メインルームに居る開発室長が言った。


「マニアックって、開発部が作ったんでしょ、あれ・・・。」

運営のスタッフが突っ込んだ。


「今見て、思い出した位だからねえ。使う人居たんだね。」


「し、室長・・・。」


魔法円には、大きく分けて2つの使い方があるとされる。

一つは、グリモワール等に記載されている魔法円。

これは防護円であり、何かを召喚する時に術者を守る為の魔法円。

もう一つは、神霊的な物や、デーモンを召喚する為の魔法円。

大きく分ければ、この2つだが、後者の方は誤った解釈である。

アニメや、小説では、魔法円でデーモンを召喚したりするのが、

よく見られるが、これも魔方陣と同じで日本独特のものである。


最近では、海外でもみられるようになったが、誤って日本に伝えれたものが、

再び海外へ逆輸入されたものだ。

実際に、デーモンが呼び出されるのは魔法円ではなく、魔法三角と

されている。

が、残念ながらVFGXは、中途半端にリアルに再現されたゲームである。

その為、魔法円は何かを召喚する為のものとなっている。



カラットは、クレインの正面に立ち、不敵に指を鳴らす。

それが合図となり、魔法が発動される。

カラットが、魔法円に召喚したものは、天に向かって激しく伸びていく

地獄の火柱だった。

地獄の炎「ヘルファイヤ」

発動条件が厳しいため、一撃で、大ダメージを与えることが出来る。

対人戦に置いては、必殺の魔法で、発動した時点で勝利が決まる。


カラットは、時計回りに周りながら足で魔法円を描いていた。

実際に円を描いていたわけではなく、ステップにより、魔法円を

表現していた。

スキル名は、フィギア魔法。図形魔法とも呼ばれていて、VFGXでは、

殆ど使ってる人間は居ない。

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