第74話 焔女帝
その頃ミオはと言えば、シャルル達とは別れて一人湯船に浸かっていた。
ただし、のんびりと では無く、その湯には盆が浮いていた?
しかし、その意識はといえば、ノリト達の会話を一言も逃さずに聞いていたのだ。
ノリトの視界さえも共有して。
「ミオ、そう言う事だ。 明日は
「D装備? Sでなくて良いの? 」
「其処までの必要は無いだろう。 本体が重要だろうしな 」
「ノリトはどうするの?
「
「でも、神聖なる駆動体、アルカナ・エンジンやアルカーヌ・メイスって言うのかぁ。 私達の元に来た時は、フレイムワークスの上位種だったものね 」
「ああ、セイクリッド・ワークスだったな。 此方の呼び方と、意味は同じだな 」
「で、ノリトはゲオルグさんの息子さんになるの? 妾腹って事にするのかなぁ? 」
「その辺は、アールブヘイムの王女陛下へと協力を仰ぐと伺っている 」
「なんか、凄い事になっているわね! まだ、ここに来て二日よね! 」
「ああ、流石に困惑しているよ。
だが、エストの事は何とかしてあげたい、と言うのも本音だが 」
「…… そうよね、重なるんでしょ 」
「…… まぁ、そう言う事だ 」
「フォローするからね! 御存分に! 」
「馬鹿! 真似をするな! ……
あと、数人出す事になる。 インセクトを放っておいて欲しい 」
「場所はどうするの? この都だけ? それとも…… 」
「半蔵も出す予定だ、そしれにギレン法国の内偵任務だな。
だが、いずれにしても明日会う
「そうね、何時頃戻れるの? そこの場所、よく判らないのよねぇ 」
「やはりか! 此方も位置が曖昧でな。
もう暫く掛かりそうだ 」
「了解! 食事は適当に摘むわね 」
「すまない 」
◇ ◇ ◇ ◇
さて、インセクトかぁ…… この世界に合ったものを選ばなきゃね。
「コンソール、 インセクトサーチ、 適合種を選択 」
【ラージャ、 インセクトサーチ開始、 適合種を補足しました。
フライ、モス、コックローチ、マンティス、センチピード、キャラピラー……】
「もう良いわ、フライとモスで良いかしら……
ギレン法国へはモスとコックローチね 」
【ラージャ、インセクト射出前のマップサーチを推奨いたします 】
「じゃあ、ピジョンはいるかしら? 」
【サーチ開始…… 発見しました。 地球種と90%一致します 】
「ピジョン射出! アスガルド近隣及びギレン法国のマップ作成を実行! 」
【ラージャ、命令を受諾しました。 これより実行開始します。
完了予定時刻は…… 不明 】
「仕方ないわよね。 距離が不明だから 」
後は、半蔵よねぇ…… この世界にも居るのかしら?
「サーチ、半蔵と同種または近似種は居るかしら? 」
【サーチ開始…… 発見しました。 地球種と…… 70%一致します 】
「70%かぁ、外観的な問題は無いのかしら? 」
【……外観的差異が大きく、そのままでは問題があります 】
「外観の違い?」
【はい、頭部に角を有し、背には小型の翼を持っております 】
「はぁ!? 角に翼ぁ? 」
【はい。 ……半蔵の修正…… を推奨します…… 】
「まぁ…… 仕方ないわよね。 修正を実行!」
【ラージャ、命令を受諾しました。 これより個体名・半蔵の
完了予定時刻は…… 只今より二十四時間後となります 】
まぁ、何とかなるでしょ。
「それにしても…… やっぱりファンタジーな世界なのね 」
ミオは湯船へと浸かりなおすと、炙ったスルメを口へと運んだ。
◇ ◇ ◇ ◇
インセクトとは、自律型偵察用ドローンの総称である。
昆虫型の物が多く、敵地への侵入など、偵察用途に供される。
複数のユニットと連携して情報収集を行なう事で、多角的に情報を収集する事が可能だ。
ビジョンユニットと連携する事で構造物内部のマッピングも可能である。
屋内や洞窟等の閉塞した空間や、狭所等のマッピング用途にも使用されている。
ピジョンとは鳥型の自律型
ピジョンは単体では無く、複数のユニットと連携して情報収集を行なう。
これらから得られる視覚情報は、高度な画像処理システムを搭載した
得られるデーターは実用に十分耐えられる詳細なもので、3Dイメージを生成する事で戦術ナビゲーション用途にも使用される。
◇ ◇ ◇ ◇
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