第39話 立派なモノが付いているのは知ってるんだからねぇ!

 翌朝、日も昇らぬうちにノリトは起き出して思案していた。

ミオはまだ寝ているようだ……

 

幸いな事に診察する許可が貰えた。

二人の事を思うと、父を亡くし母親までも亡くすと言う事は辛い事だろう。


「だが…… この姿は聊か問題があるかな 」

ノリトは自身の、甲冑と言うか金属鎧の姿をみて思う。

「病床に臥せっておいでか…… この身体では流石に驚かれてしまうか 」

暫し思案した後、


「仕方が無い、気は進まないが、アレを使うか…… 」

そう言いながら昨日のバスユニットへと移動すると、休憩所上部へと追加ユニットを虚空より取り出し接続する。


「さて、先ずは調整だな 」

ノリトはバスユニットから中に入ると、追加ユニットへと移動をし準備に入った。


    ◇    ◇    ◇    ◇


 ミオは起き出すとノリトが居ないことに気付く。

「あれぇ? 朝風呂かなぁ? 」

そう言いながら移動をする。

バスユニットの前まで行くと、昨日は無かったユニットの存在に気付いた。

追加ユニットが何か・・・を知っているミオは、瞳を輝かせ頬を高潮させ・・・・・・て室内へと飛び込んだ!


「おおっ! やっぱり! ノリト…… 

やっと・・・その気になってくれたのか!?

ちょっと待っててくれ! すぐに風呂に行ってくるなっ! 」

ルンルンと言う効果音をさせている様な足取りで脱衣所へと向かう


「おい! 変な誤解をするな!

前にも言っただろうが、コイツにそんな機能・・・・・は付けてないぞ! 」

何度繰り返しただろう…… この遣り取りを。


ミオはその言葉に、振り向くと頬を膨らませ抗議する!

「隠しても無駄だよぉ! 立派なモノ・・・・・が付いているのは知ってるんだからねぇ! 」

ノリトの下半身を指差しながら抗議をする、


「おっ…… まえは…… 見たのか!? 」

少しの呆れや怒りを綯い交ぜにした様な声で、ミオへと問う


「うふふふッ 当然じゃないか! シッカリ確かめた・・・・・さあぁ~ 

すんごく、立派なモノ・・・・・がそそり勃ってたわぁよぉ! うふふっ 」

その返事にノリトは額に手をあてた…… が最後の一言が引っ掛かった!

確かめた・・・・・だと!?


その時、背後から声がした!?

『ミオ様…… 何が立っているのですか? 』


「シャ、シャルル皇女、何でも無いのですよ。 お気になさらずに 」

慌てて振り向き、シャルルへとミオの言った事は気にするなと告げると、ミオへと向き直り拳骨をくれる。


余りの甚さに涙目で抗議するミオ

「イッたいじゃないかぁ! 」


その遣り取りを見ていたシャルルは、違和感に気付いた!

『…………ノ…リト様?? あれ?? あれれ!? 』

ノリトの姿を見て混乱するシャルル、


ミオは頭を摩りながら、ニヤケ顔でシャルルへと答える

「あっ! 言ってませんよね。 これも・・・ノリトですよ! 」


横に立つ、何時もと違う姿・・・のノリトが困り顔で見詰めていた。

そう、困り顔・・・で、無骨な機械仕掛け鎧の顔では無く、人間と見分けの付かぬ顔・・・・・・・・・・・をしていた。


「シャルル皇女殿下、私ですよ。 大丈夫ですか? 」

ノリトはシャルルの顔を覗き込む


『……だぁ……大丈夫ですよぉ  』


ひゃーッ!!! ノ…ノリト様のお顔が、ちッ…近いですぅ〜!

そ、それに……ヤッパリ・・・・素敵過ぎますぅ〜!!

シャルルの顔が真赤になっていた。


ミオは思う……

「(くぅ〜! また一人…… 被害者が…… 

いや、ライバルか? )」


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