第34話 本来の温泉とは違うとな?

『本来の温泉とは違うとな? 』

ゲオルグ王が疑問を問う


「そうです。先ずは、温泉の基本的なところをお話しますね。


 本来の温泉とは、火山性温泉と非火山性温泉に大別されます。

水を温める熱源で分類すると、火山の地下のマグマを熱源とする火山性温泉と、火山とは関係の無い非火山性温泉に分けられるのです。


……と、この様な説明では判り難いですね」

ノリトの顔に表情が出せたなら、苦笑いをしていたであろう。


「もっと、判り易く……簡単にしましょうか。


この大地の地中深くへと進んでいくと、地表よりも温度が高くなって行くのです。

深くなれば成る程に温度が高くなると思ってください。

また、地下深くには、更に深い場所から上昇してきたマグマがマグマ溜まりをつくり、その付近は千度以上の高温になっています。


 雨や雪の一部は地中に染み込んで地下水となり、マグマ溜まりの熱で温められ、断層などから地表に湧き出したものが火山性の温泉と言われます。

地下で温められた祭に様々な成分が混入したり、地中を流れる間に岩石の成分を取り込む事で、温泉の様々な泉質が形成され色や匂いの他、温泉の効能も変わります。


大地は深い場所へ行く程に地中温度が上昇すると説明しましたが、これを地下増温率と呼びます。

地下水が地下増温率を熱源に温められ深層熱水となり、断層などから地表に湧き出したものが非火山性温泉となります。

温泉の泉質などは、火山性の温泉と同様と考えられています。


どちらの場合も、地中深くの水脈へ星の持つ力が影響を与えているのです。

言い換えれば、星の力を水へと付加した物・・・・・・・・・・・・が温泉と言う事が出来ますね。

星の様々な力を含むのが特徴で、身近なところだと塩などが含まれます。


本来は、星の熱の力も蓄え温水になるのですが、ここでは泉質を再現は出来ても、星の熱の力を与える事は無理なのです。

その代わりに、熔岩を加工し湯船とする事で同様の効果を狙っております。


 熔岩とは、火山が噴火する事で地中から噴出した、星の力を内包した高温で液状化後に固まった岩石の事です。

熔岩の特性に温熱効果や遠赤外線効果と言うのがあり、それを利用しているので、

身体が芯から温まるのですね 」


『ふむ、 星の力を内包した温泉とな、これは良い物だが我が国にも導入が出来ぬものかの 』

ゲオルグ王は気に入ったようだ。


『そうですな! 是非とも風呂や温泉は導入を検討したいですな! 

ノリト殿、力を貸して頂けぬだろうか 』


「ええ、そう仰ると思っておりました。 

そうでなければ、お風呂をお勧めしたりしません、喜んでご協力させて頂きます。


ただ…… 気がかりな事が幾つか御座います 」 


『ふむ、気がかりとは? 』


「姫殿下の事と…… お二人の母上の事です 」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る