第30話 レバーを押し下げると、シャンプーと言う洗髪液が出てくるの。

ミオはシャワーやシャンプーなどの説明を一通り済ませた。


「判ったかな? この壁のレバーを押し下げると、シャンプーと言う洗髪液・・・が出てくるの。

隣がリンスで…… えーと、髪に潤いと艶に、保湿成分を与えるの。

髪が乾くと香も良いし、ふぁわっとした感じになるのよ。

その隣がボディーソープ、身体を洗うための液体の石鹸と言えば判るかな? 」


『石鹸ですか? 液体の? 固形ではなくて 』


「そうよ、 液体の石鹸なの。 但し、普通の石鹸では無いわよ!

肌に潤いを与える成分が入っているのよ。

それに、良い香もするでしょ!

使い続けると、モチットしたプルプルの肌になるわよ 」


「あと、最初に髪を洗ってね。

先に身体を洗ってしまうと、髪を洗った時の、シャンプーやリンスのすすぎ残しが身体に着くからね。

肌荒れの原因にもなるから気をつけてね 」


三人で髪を洗いはじめる。

『良い香がするのですね 』


「姫様、私が…… 」


『エスト、自分でやってみたいのです。 お願いよぉ 』


「はい、判りました 」


「十分に洗えたら、シャワーで流してね。 漱ぎ残しのない様にね 」

シャンプーとリンスを済ませると、


「身体を洗うのは、これを使って 」

そう言い、備え付けのボディーブラシとボディータオルを取り出す。

ボディーブラシは良くある物で、馬の毛を使用した木製の物だ。

毛先が細いので、肌触りがとても優しく柔らかい。

ボディータオルは、ふわっとした肌触りの良いシルクで、良くある化繊の物ではなかった。


『どうやってお使いになるのですか? 』


「液体石鹸を一度手に取って、良く泡立てて…… このブラシに載せるの。

身体を、軽くブラッシングするイメージで使ってね。

デリケートな首から胸元に掛けては特に優しく、膝や踵みたいな皮膚の固い部分はクルクルとリズミカルにね。

身体の汚れを、首筋から足元へと洗い流していくイメージで、クルクルッと円を描くように洗うのがポイントよ。

ボディータオルは一度濡らしたあと、直接タオルへ液体石鹸を載せて……

モミモミすると…… ほらぁ、泡立ったでしょぉ 

これも、ブラシと同じで上から下へとね。

背中は広げてこうすれば一人で出来るわよ 」

ミオは、ボディータオルを広げると、背中へと襷掛けの要領で持ち、背中を洗い出す。


三人は身体を洗い流すと、湯船へと向かった。


「この床は、濡れても滑りはしなけど、注意はしてね。

こっちが檜と言って、私達の世界にある、樹木を使った浴槽よ。

木の香が良いでしょ! 抗菌作用もあるのよ。

それに、今日の湯は温泉かしら。


であっちは、岩風呂ね。

溶岩を特殊加工したものでね、温熱効果があるの。

湯は低温だからゆっくりと入るのが良いわね。

あそこのブクブクした所は、冷たい空気を含んだ泡が出ているから、気持ちいいわよ 」


シャルルとエストは固まった!

大きな湯船に溢れるほどの湯、見たことも無い泡の出る浴槽と……

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