第24話 その御要請お受けいたします 

「陛下、その御要請お受けいたします 」

ノリトはゲオルグ王へと了承を伝えた。


それにしても、このゲオルグ王という方は凄い方だと思う。

王という立場に在りながら、こうべを垂れる必要を感じれば、戸惑う事無くそうされ謝辞を述べられる。

中々出来る事ではない。 権力を持つ者ならば尚更だ。

 安易に詫びる事は下策であるが、必要な場面でそれが出来るかは重要だ。

市政者として優秀な証拠であろう。


『おおぉ、そう言って貰えると助かる!


お二人の今後の住まいについてだが…… 

当面は客室でお願いするが、

そうだな、アイギスよこのバラ園脇の離れが良いかと思うのだが。

早急に手配を頼めるか? 』


『陛下、明日には使用できるよう手配を致します。

それでは、すぐに掛かりますので、この辺で失礼をさせて頂きますが、宜しいでしょうか?

ノリト殿、ミオ殿では明日の昼頃にご案内に伺いますので。

此れにて失礼致します 』


「はい、宜しくお願いします 」


「よろしくお願いしますね 」


『うむ、アイギスよ宜しく頼む 』

そう言うと、アイギスは退出した


「色々と御配慮頂きありがとう御座います 」


『うむ、お二人とも疲れた事であろう。

早速、部屋へと案内させよう。

おい! 』

と傍付きのメイドを呼びかけたと同時に、シャルルは王へと願い出た


御祖父様・・・・、是非私にご案内をさせては頂けませんか?

駄目でしょうか…… 』


おや?御祖父様・・・・、親子にしては歳が離れているとは思ったのだが、

祖父だったのか。

では、皇大使殿下は?


『ふむ、 そうか? ではシャルルへお願いする事としよう 

双翼の間であれば二部屋続きとなっておる。

其処へ案内を頼むぞ 』


『はい、双翼の間へとご案内させて頂きます 』

シャルルはゲオルグ王へと笑顔で答えると、此方へと向き直る


『では、ノリト様、ミオ様ご案内させて頂きますね 』


「「では、失礼致します 」」

ノリトとミオはシャルルの案内で部屋を出た


それを見送りながらゲオルグは思案する

『いったい、シャルルはどうしたのだ…… 』


その呟きを聞いていた、シャルル傍付きの侍女は思う、

あれは……恋かしら? と

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