第16話 模擬戦闘と言うよりも、この世界の戦力の調査
騎士団との模擬戦闘と言うよりも、この世界の
味方の戦力や能力を知る事は大事な事だ。
「ただ、 あの騎士達が味方と言えるのかは…… 微妙だなぁ 」
ノリトは呟いた。
また、形式に囚われずに、その者に合った戦い方や武装なども重要になって来る。
一様に統一された装備と技術も大事だが、それに固執すると全体としての戦力は伸び悩む事になるのだ。
ノリト達は、それを嫌と言うほどに体験してきた。
「この世界はどうだろうか?
魔法と言う特殊技能があるが故に、それに固執……
いや、甘えては居ないだろうか? 」
そうなると、敵の攻撃手段が変化した場合に、対応が遅れる。
遅れるのなら、まだ挽回のチャンスがあるのだが、大概は手遅れとなって戦線が瓦解する。
この世界の人々は
それとも違った敵も居るのだろうか?
「もしも、人では無いモノが現われたのなら…… 」
嫌な予感もする……
別れ際に囁かれた、
「まぁ、考えても仕方ないか。 魔法自体が判らない戦術なのだから。
とりあえずは、一当てするしかないか 」
ノリト達は、案内され闘技場へと到着した。
闘技場は、かなりの広さがあり大規模な魔法演習も可能だそうだ。
王都の中心部に此れだけの施設を作るのは大変だった事だろうと思う。
恐らくだが、避難場所としても考えて作られたのだろう。
そう考えた理由は、高強度の防護フィールドを感知したからだ。
「何故…… 魔法が感知できるのだろう?
使う事は出来ないが、視る事が出来る…… 」
ノリトの疑問は深まる。
『双方、用意は良いか! 今から五分後に号令を掛ける! 』
不思議な事に、この世界の時間は地球と同じだった。
同じなのは時間だけではなく、1年が12ヶ月であり、四季もあるそうだ。
『号令を合図とし模擬戦闘の開始とする。
ノリト殿は騎士団の戦闘力を奪い戦闘不能にさせる事をもって勝利とする!
但し、騎士団に死者を出した時点でノリト殿は敗北とし、騎士側はノリト殿の死をも勝利条件とする!
これはノリト殿より提示された条件であり、ミオ殿も承知をしておる 』
『そっ、そんな! この条件は余りにも…… 』
シャルルがノリトの危険を
『シャルルよ、この条件はノリト殿が提示された事だ。
五十名の騎士を相手に、死者を出さずに無力化してみせるとな 』
ゲオルグはシャルルを見やり、答える
『その様な事が可能なのですか!? 』
シャルルはミオの方へと振り返る。
ミオは、用心のために王族が居る観覧席へと来ていた。
万が一、
「シャルル皇女殿下、御心配は無用です。
私達の相手にしていた敵は、
私もノリトも、人の力では敵わぬ相手と、十年と言う月日を
『十年…… もの間、ずっと戦い続けて…… 』
シャルルは胸が締め付けられる思いを抱いていた。
『私が生きてきた半分以上の年月を、戦場で生き抜く…… 』
そんな事は想像すら出来なかった。
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