第9話 我は名乗ってはおらぬしな。

『ノリト殿にミオ殿、 改めて…… いや、はじめまして、であるか。

我は名乗ってはおらぬしな。


我はこの「アスガルド王国」が国王

ゲオルグ・ノリス・ヴィルヘルムと申す。

隣におるのが、 』


『第一皇子、 アルフォンス・ノリス・ヴィルヘルムと申します 』

アルフォンス皇子は皇女様よりもお若い、十二歳位だろうか?

幼さが残り、男の子と言うよりは少女の様な顔立ちをしていた。


『第一皇女、 シャルル・ノリス・ヴィルヘルムと申します。

先程は……お見苦しい所をお見せしました 』

姫殿下は頬を赤らめ、恥ずかしさからか俯いてしまった。

年の頃は十六歳位だろうか、あと数年すれば、美しい女性となり、

皆から持て囃されるに違いない。


まだ、幼さが残るが美しい顔立ちをしていた、姉弟揃って美形だと思う。

王自体が歳を感じ出せぬ、美男子なのだから、当たり前であろう。

母親は嘸かし美人であろう事が想像出来る。


そんな考えが伝わったのか?

ミオに睨まれた……

(にゃにおぉ、思ったのかニャ?!! )


(……何でも無い! お前は、興奮すると猫になるのを何とかしろ! )

 

「シャルル皇女殿下、 お気になさらず 」

ノリトは皇女へと視線を向けると、穏やかに告げる。


ミオがノリトを肘突きしながら、

「そうですよぉ! こいつは、全然!! 表情が出ませんからね。

正真正銘の鐵面皮・・・ですからね!

でも、嬉しかった筈ですよ、こいつは…… ねぇ 」

言い終わると、ニヤリと笑った!


シャルルはノリトをに視線を向けると、心配そうに聞き返した。

『そう…… なのですか? 』



「……はい。 嬉しかったですよ。 仲間の事を褒めて頂いたのですから 」

ノリトは、照れているのか? 歯切れ悪く答えた。

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