第26話 雨宿り
ザアアアアアア…
「やれやれ…急に降り出すとは困ったものですね…」
ゼロがこうざんへ向かう途中に雨が降り出した
「全く…あの人も人使いが…いやフレンズ使いが荒いですね…」
事は数時間前に遡る
「おいゼロ」
「何ですか急に」
「こうざんに行ってバスの電池充電してきてくれねえか?」
「何故私が…あなたが行けば良いでしょう…」
「別に構わねえだろ?また稲●淳二の怪談でも見てえか?」
「…わかりましたよ…」
「はあ…全く…おっと良いところに洞穴がありましたね…暫く雨宿りとしますか」
ゼロは洞穴へ入るそこには…
「あなたも居ましたか…これは珍しい方とお会いする」
「その方…ゼロか…」
ヤタガラスが居た
「太陽の化身であるあなたならこの雨を今すぐ止められるのでは無いですか?」
「確かに余なら出来るが…自然をひっくり返す事はしない」
「そうですか…」
ザアアアアアア…
「……」
「……」
「止みませんね…」
「そうだな…」
「前から気になっていたことがあるのですが訊いても宜しいですか?」
「その方から訊かれるとは珍しい…一体なんだ?」
「何故あなたはトモカズさんをあそこまで気にかかるのですか?いくら昔からの馴染みとはいえ何度も…」
「…その方はトモカズの事をどれ程知っている?」
「…昔のサーバルさんと友達であった事くらいしか…」
「あいつは自分から昔を語る事は滅多に無いからな…」
「なら何故かばんさんには…」
「おそらく似ていたからであろう」
「確かにサーバルさんが友達であるのら同じですが…」
「いや違う性格も含めてだ」
「というと?」
「かばんという奴は基本は怖がりだが友のためならば自らを犠牲にする覚悟が出来ると聞いたが?」
「まあ確かに友達のために命をかけるというのは似ていますが…トモカズさんが怖がり?」
「ああ昔はな…今のあいつからは想像できないであろう?」
「しかしあのトモカズさんが怖がりだったとは意外ですね」
「そうであろう?話を戻すが…余が何故トモカズを気にかけるか…余は昔あいつに命を救われた…ただそれだけの事だ」
「トモカズさんが太陽の化身であるあなたを救った?信じられませんね」
「太陽の化身とはいえ余もただのフレンズ…サンドスターが尽きれば消えるさ…」
「なるほど…あなたほどのお方が死にかけるとはますます気になりますね」
「ふ…あの日は今のように雨が降っていたな…」
ザアアアアアアアアア…
「はあ…はあ…まさかたかがセルリアンにここまで…うぐ…」
ヤタガラスは血を流していた
「く…傷は癒えるかもしれないがサンドスターが尽きるのも時間の問題か…」
洞穴を見つけたヤタガラスはそこへ入っていく
「サンドスターが噴き出す山に近いとはいえ供給が追いつかんな…余もここまで…か…」
ザ…ザ…
すると足音が
「誰だ!」
「ふぇ…ご、ごめんなさい…」
「人間…か?」
これが余とトモカズの出会いだった…
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