お天道様は、見ていない

 病室の窓から見える風景の中で、遠くに見える山々の紅葉に変わっていく中、いかがお過ごしでしょうか?



 タカシです。





 病室。


 それも個室という広い箱部屋の中で、ただただ時間が過ぎ去っていくというのを体験させていただいております。




 あれから、身体が動かせないという事で、救急車によって運ばれては、全治4か月、安静に2か月は必要だという事で、ガッチガチに動かせれない状態という事だそうでした。


 医者が仰るには・・・


 肋骨数本、完全骨折4ヶ所、一部、内臓を傷つけてるカ所あり

 鎖骨、不完全骨折2か所

 背骨、不完全骨折箇所4ヶ所以上(細かいところあり)

 腰骨、不完全骨折3ヶ所

 

 そして、笑いながらも"よく生きていたもんだ・・・"と



 実は重体であったみたいです。


「まだまだ、鍛錬が足りぬ証拠じゃ」


 ハバリさん?骨の場合は、鍛錬云々必要あるのでしょうか?

 え?筋肉で守れば良かろう?いや、そのですね?それはそれでどういう理論かと思う訳で・・・




 そういえば、とてつもない痛みがあるという事だったのですが、現状は耐えれない痛みでもなく・・・というか、痛み止め飲んでません・・・ね?あれ?と思ったのですが、



「苦しそうだったので、痛みの信号を遮断や緩和をしておきました」



 レイさん、何してくれてたのでしょうか。

 痛みは体の異常シグナルなのに、なぜ止めるのだろうかと問うと



「その、あまりにも久しぶりでしたので、主様に触れ合えるのが・・・」



 OK、理解した。

 頬を染めながらそれ以上は言っちゃいけない。

 


 なお、テイルは反省してるのか、あれ以降、身体に触れようとはしなくなったが、いつも悲しそうな瞳で見られるのは、何というかちょっと心に響くというか・・・



 そんな風に思っていた自分がいましたが、


 ひと月もたつと、学校帰りに必ず寄っては、一日あった事を面白おかしく話てみたり、休みの日などは不器用ながらも甲斐甲斐しく世話をやこうとしてくる姿に、まぁ、あんな瞳を向けられるよりかはマシだろうと。



 ただ、勉強道具一式やら宿泊用の道具などなどのお泊りセットを持ってきては、ここに泊まる!と主張し、レイに小言という名の説教を何度ももらっては、連れて帰っていくというのを何度も経験しているにもかかわらず、再度チャレンジしてくるのは、いかがなものかと・・・



 というか、レイさん?あなたもですよ?昼間はほぼ付きっ切りになっていませんか?



「テイルが学校に行ってる間は、わたしの時間です」



 いや、ね?そういう事じゃなくてですね・・・


 まぁ、マネジメントというか、マネージャーとしての手腕も身につけられてるので強く言えない。


 そういえば、診療代はどうなるんだろうかと聞いたことがあります。

 たぶん、病院のえらい人が看に来られた時に。


 個室をとってるから、日割り計算もとんでもな金額と思っていたら、そういう業界対応の病院との事で、なんでも、多大な献金が入ってくる組織の人間だから、別棟は安心してほしいとの事。



 業界、恐ろしい所・・・




 それからは、業界の方には長期休養休暇という事として、しばらくは動けないという事にもなり、ゆっくりとした休養がとれる形が続き、ようやく一人で立ち上がっては移動もできる様になり、リハビリを兼ねては病院内をある程度はうろつけるまでには回復していきました。




 そうして、夜中に自販機へと何か買いに行くかと、部屋を出た時に気づくべきでした。

 通路って、こんなに薄暗かったっけ?と。さらには、赤や青色らしきハーブを見かけます。



 聞こえてくる「ウ"ーーーーア"ーーーー(複数」というBGMに加え、この先の通路を曲がった向こうからもクチャクチャと、まるで物を食べているような音が聞こえてきてます。



 このBGMと、咀嚼音から推察するに・・・





 気にしない事にしたいです。






 とても気にしない事にしたいんです。







追伸

 そっと角を曲がった先を覗いてみます。

 衛生重視のはずなのに、血痕というか血糊というか、ぶちまけられた様な様相になっています。


 うん、足元に転がってる人らしきモノが二つ。

 一つ床に対して仰向けに寝そべるようにピクリとも動いてません。

 が、もう一つはというと、その仰向けの腹のところで咀嚼音をさせながら・・・






('A`):AHAHAHAHA、マルデ、"細胞バイオ"が"危険ハザード"な奴の、例の振り向きシーンカナー

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