少年期[209]弾数はどれくらいあるんだろう?

ジェットイーグルを見たセフィーレ達は、予想外の魔物に動きが止まっていた。


ゼルートの隣で並んでいるアレナはゼルートと同じことを考えており、少し苦い表情をしていた。

ゼルートが言っていた通りになったルウナは、あからさまにテンションが下がっている。


(にしても・・・・・・少し大きくないか? 昔戦ったジェットイーグルは、もう少し小さかった気がするんだけどな。やっぱあれか、ダンジョンにいて尚且つボスの魔物だから、少し特別って事か。しっかし、まぁ~~~~見事に固まっちゃてるよセフィーレ達)


こちらが驚き固まっていたとしても、魔物が待ってくれるわけでは無いので、ゼルートは大きな声でセフィーレ達に呼びかけた。


「気を付けてください!!! 相手はもう、こっちの存在に気づいていますよ!!!」


ゼルートの声にセフィーレ達五人は、我に返り戦闘態勢を取った。


五人がジェットイーグルを見た様子から、全くジェットイーグルについての知識がないだろうなと思ったゼルートは、大まかなジェットイーグルの特徴を伝える。


「ジェットイーグルは、瞬時加速のスキルを持っていて、直ぐに最高速度になります!! 攻撃方法は基本的に爪、翼、口先を使った物理攻撃です!! 後、一応風魔法も使うので注意してください!!!」


ゼルートがジェットイーグルの情報を伝え終わると、声を上げながらジェットイーグルが動き始めた。


「キュアアアアアアア!!!!!」


ジェットイーグルは様子見とばかり、セフィーレ達に翼から羽を飛ばす、フェザーラッシュを放った。


襲い掛かって来る無数の羽を、セフィーレはレイピアで斬り飛ばして防ぐ。

カネルは面の面積が大きい大剣の腹を盾にしてやり過ごす。

ローガスはカネルとリシアの前に出て、槍を回転させながら二人を守った。


そして後ろからジェットイーグルがフェザーラッシュを放つ様子を見ていたアレナが、ゼルートに質問した。


「ねぇ、毎回鳥型の魔物がフェザーラッシュを放つたびに思うのだけれど、あんなに勢いよくたくさんの羽を出していたら、翼の羽がなくなって、翼だけ丸裸になりそうじゃない?」


隣で話を聞いていたルウナは翼だけ丸裸になったジェットイーグルを頭の中に思い浮かべると、単純に面白くて吹き出してしまった。


「ぶっ、アレナ。いきなりそんな面白いことを言わないでくれ。つい吹き出してしまったじゃないか」


「ごめん、ごめん。まぁ、確かに笑える絵面ではあるでしょうね。それで、ゼルートはどう思う?」


「そうだな・・・・・・」


実は、鳥型の魔物がフェザーラッシュを放ったらその後どうなってしまうのかは、前々からゼルートも気になっていた。


(どんな構造になってるんだろうな。俺達で言えば髪の毛みたいに無数にあるのか? それならあんだけ大量に飛ばしても、大して減ってないように見えるのは納得できるけどな。いやでも、人間の髪でフェザーラッシュ・・・・・・じゃないな。ヘアーラッシュをやったら・・・・・・はっはっは、速効で剥げてしまうだろうな。やっぱ魔物だから髪、じゃないな。羽が生えてくるペースもきっと早いんだろう)


自分の中で、それらしい結論が出たゼルートは、内容をアレナとルウナに話した。


「基本的に魔物は人間より、身体能力とか高いだろ。だから毛や羽が生えてくるスピードももの凄く早いんじゃないか、ってのが俺の考え。一週間もあったら消えた羽の部分は、新しく生えてくると思うな」


「なるほどね・・・・・・確かに理にかなっていそうね。その特徴は、髪の毛がハゲたおじいちゃん達にとっては、もの凄く欲しい特徴だと思うわ」


「ぶふっ。だからアレナ、考えると吹き出してしまいそうな事、言わないでくれ」


後方のゼルート達は、警戒はしているものの、緊張感はまるでなかった。

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