少年期[208]飛べるのは厄介だな

夕食を食べ終わるとゼルートは自分とアレナのボスの予想、情報をセフィーレに伝えた。


「なるほど・・・・・・確かにゼルート達の考えは納得できる部分が多いな。伝えてくれて助かった。まだ、オーガと決まったわけでは無いが、それでも初見でそういった事を知らなければ、対応できないことが多いだろう」


「俺達の依頼内容は、セフィーレ様達の護衛なんで」


ゼルートは当たり前の事ですよ、っと笑顔で答えた。


「それで、二十階層のボスはどうしますか? 俺達も戦いに入った方が良いですか?」


「そうだな・・・・・・いや、今回は私達だけで基本的に戦おう。だから、今回も後方からの援護を頼みたい」


「分かりました。任せてください」


伝えたい事と聞きたい事が終わり、ゼルートは自分のテントに向かった。


「まぁ、確かに二十階層ぐらいの敵なら、セフィーレさん達なら難なく倒せるか」


若干一名不安な者はいるが、そこまでの心配は必要ないだろうとゼルートは思った。


「ただ、万が一・・・・・・と言うよりは、普段セフィーレさん達が、戦はないような魔物が相手かもしれない。援護の内容も考えておいた方が良さそうだな」


ゼルートはブツブツとつぶやきながら、自分のテントの中に入った。


次の日の朝、朝食を食べ終えたゼルート達はボスの部屋の前に立っていた。ちなみに、ゼルート達の前に二組の冒険者パーティーが、ボスに挑んだ。

一組はどうなったのかは分からなかったが、もう一組はボロボロになりながらボスの部屋から出てきた。


ボロボロになりながら戻って来た冒険者の傷を見て、切り傷が多いことに気が付いた。


(斬撃系の武器を持ってるのか? それとも風魔法を使うのか。いや、爪による攻撃って可能性をある。相手は人型か、それとも獣型か・・・・・・油断はしていないけど、簡単にはいかせてくれなさそうだな)


ボスがどんな魔物かを考えながら、どうやって後方から援護をするか悩んでいた。


「また考え事か、ゼルート」


「ああ、ボスの魔物が強いかどうかは分からないけど、厄介そうだと思ってな」


ゼルートの厄介と言う言葉を聞いたルウナは、ボスの魔物に少し興味を持った。


「厄介か・・・・・・ゼルートがそう言うなら、本当に厄介なんだろうな。けど、私達は後ろからの援護なんだろう。ん~~~~、それだと私に出来ることは少なそうだな」


ルウナの主な攻撃方法は近接格闘なので、自分が出来ることはあまりないと分かり、少しテンションが下がっていた。


「まぁ、確かにルウナが出来ることは少ないかもな。まぁ、遠距離攻撃を覚えたら出来ることも増えるはずだ」


「遠距離攻撃か・・・・・・得意ではない、というか苦手だ。だが、覚えて損はなさそうだから、ゆっくりと覚えていくとしよう」


「その意気だ。ルウナの言う通り、覚えて損にはならないはずだ」


二人が楽しく話している内に、ボスの姿が見えてきた。

その姿を見たゼルートは、苦笑いしながら自分の予想が当たっていたと確信した。


(う、わ~~~~。よりにもよってジェットイーグルかよ・・・・・・初見殺しもいいところだよ)


限りなくCに近いDランクの鳥型の魔物。スキル、瞬時加速を持ち、一気にトップスピードに入ることが出来る。

最高速度自体はそこまで速い訳ではないが、緩急差が半端ではない。

ランクE、Dまでの冒険者相手なら、余裕で後出しの攻撃を出すことが出来る。

しかも、鳥型の魔物なので空中に跳んでいるため、そもそも攻撃が当てずらい。


(ちょっとハードだな。いや、公爵家の試練なんだからこれぐらいは妥当なのか?)

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