少年期[204]やっぱ、ダンジョンって怖いね

「確かにまずいな。というか、相性が悪すぎる」


「? なんの相性が悪すぎるんだゼルート」


「セフィーレさんが使う武器と、狂化が使えるオーガジェネラルの話だよ」


ゼルートに相性の内容を聞いたルウナは、頭の中で自分なりに話を整理し、ゼルートと同じ考えに至った。


「確かにゼルートの言う通りだな。いや、相性が悪過ぎるどころの話ではないと思うのだが」


「そうよ。レイピアでの攻撃を受け止められ、レイピアが壊れる可能性は十分にあるわ。セフィーレ様の持っているレイピアは、ただのレイピアではないと思うけれど、そう何度も耐えきれると思えないわ。特にレイピアでの突きで自滅する可能性だってある」


アレナの言葉が容易に想像できたゼルートは、どうすべきか本気で考え込んだ。


(確かにセフィーレ様のレイピアはおそらくマジックアイテム。そう簡単に折れるとは思わない。思いたくない。突きでの攻撃も自滅に繋がる可能性あるけど、ただ単純に斬ることだって場合によっては折れる可能性はある。まだ短剣が使えるなら話は別かもしれない。戦い方は地味だけど、相手に再生や回復速度上昇とかのスキルがなければ勝てる可能性はあるんだけどな~~~~。いや、まだオーガジェネラルがボスの魔物とは決まった訳じゃない。訳ではないけど・・・・・・正直俺にとっては未体験の領域だからな。アレナの予測の方が的中するだろうな。取りあえずこういった魔物がいるかもしれない、と言う事だけは伝えておいた方が良さそうだな)


ゼルートがもしボスがオーガジェネラルだったら、という状況に悩んでいると、また珍しく長考しているゼルートを心配したアレナが、肩をゆすりながら声を掛けた。


「ちょっと、ゼルート。深く考え込んでるみたいだけど大丈夫?」


「あ、ああ。俺は大丈夫だ。ただ、・・・・・・もしアレナの予測が当たっていた場合、どう対処すればいいのかなって思ってさ。依頼の内容自体はセフィーレ様達の護衛だ。それは達成することは出来る。何かあったら、俺も力は隠さない。それにラルもいる。万が一は起こらない」


ゼルートはラルを見ながら、俺達がいれば全滅することはない。ボス部屋の魔物には絶対に勝つと言い切った。

それを聞いたアレナとルウナはゼルートの言葉が、嘘や虚勢ではないので確かにそうだと思い、頷いた。


「ただ・・・・・・俺達の目標の達成はそれでいいけど、セフィーレさん達の目標は違うだろ。セフィーレさん達の目標は、自分達の手でボスの魔物を倒す事だろ。なんつーーーか、俺達の依頼だけ達成させる、ってだけじゃやっぱり駄目だと思うんだ。俺のわがままかもしれないけど」


下を向きながら話したゼルートの考えに、二人はゼルートの優しさに思わず頬が緩んだ。


「ゼルートの考えは我儘なんかじゃないわ。私もゼルートと同じ気持ちよ」


「アレナの言う通りだ。私も何とかしてやりたい。今回は強い魔物と戦いたい気持ちより、そっちの気持ちの方が大きいぞ」


「グルルルル」


アレナとルウナも、ゼルートと同じ気持ちだった。ラルも任せてくださいと、答えた。

ゼルートは皆が自分と同じ気持ちである事を知り、ホッと一息ついた。


場が少し和んだ感じになったが、そこでゼルートはまだ一つアレナから聞いていない情報を思い出した。


「なぁ、アレナ。二つの内の最後の一つをまだ聞いていないんだけど、どんな内容なんだ?」


「・・・・・・そうね。そっちがまだあったわね。ん~~~~、こっちも可能性の話なんだけど・・・・・・むしろこっちの方が厄介な内容かもしれないわね」


アレナの言葉に、ゼルートは声には出さなかったが心の中で嘘だろ、と呟いた。

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