第211話少年期[201]ゼルートの中での一線

「すいません、私情で少し遅れました」


「いや、気にする事は無い。私もあの男の態度は気に入らなかったからな。ゼルートがあそこまで怒るのも無理はないと思うぞ」


セフィーレはゼルートがザンガへ向けた言葉・・・・・・説教の時間を気にしていないと分かり、ゼルートは一安心した。


「にしても、よくゼルートはあの喚き散らしていた男の事を殴らなかったな。あまりにも男の態度が酷かったから、俺は骨の一本や二本は確実に折るだろうなと思ってたけど・・・・・・なんでだ?」


ソブルの質問の内容に、自分はそこまで簡単に相手に手を出すイメージがあるのかと思い、ゼルートは喧嘩っ早いところを直した方がいいのかと、少し悩んだ。


「ソブルさんまでアレナやルウナと同じこと言わないでくださいよ。俺だって線引きぐらいはしてますよ」


「そうなのか? ちなみにどんな事を言ってしまったら、その線を超えてしまうんだ」


ソブルは、ゼルートが他の貴族となるべく争いを起こさないようにした方が良いと思い、ゼルートの地雷を聞いておこうと思った。それをいったところでバカな貴族が、ゼルートの怒りを買うような真似はしないかどうかは別だが。


「そうですね・・・・・・。俺に暴言を向けるだけならまだ良いですけど、手を出して来たら完全にやり返しますね。それと仲間や家族、仲間に友達の暴言を吐かれたらとりあえず一発ぶちかまします。手を出して来たら・・・・・・とりあえずボコボコにします。それと俺の目的、進路を邪魔する奴も同じようにしますね。取りあえずはそんなところですね」


ゼルートの線の内容を聞いて、ソブルとカネルとリシアの三人は顔が真っ青になった。

ゼルートが言っている事は間違っている事ではない、そうしたいと思うことが当たり前なことだ。

だが三人は、ゼルートの言葉の中に相手が貴族や商人、でも関係なくという内容を感じ取り、この依頼が終わったら、自分達の親にセフィーレの父親、公爵家の当主に他の貴族に、ゼルートを無駄に刺激するようなことはしない方が良いと伝えてもらおうと直ぐに思った。


セフィーレは、ソブル達の様なことは基本的には考えないので、ゼルートの考えを仲間や家族を本当に大切にしているんだなとプラスに捉えていた。


それからはゼルート達は殆ど順調に進んで行き、誰かが大怪我をすることもなく、十六階層までたどり着いた。


ゼルートにとって、ダンジョンに入ってから満足できる戦いが沢山あったわけでは無かった。

リザードマンとの最後の一撃は多少は満足のいくものであったが、それ以降戦った魔物との戦闘でゼルートが満足できる戦いはなかった。


(まだこの階層でも特にそこまで気を張ってなくても、奇襲をくらっても対処は出来るはずだ。ラルも俺と似たような気持になっているだろうな。でも、こういった森の階層だってのに宝箱がむき出しで置いてあったのは、ダンジョンらしさを感じたけど・・・・・・少し違和感が感じたな。もう少しカモフラージュ的なものがあっても良いと思うんだけどな)


見つけた宝箱は、セフィーレがゼルートに頼っている部分が多いからと言う事で、ゼルートが貰う事になった。

最初にローガスが反対したが、まだセフィーレの言葉とリシアが天然で発言した言葉が効いているのか、直ぐに引き下がった。


(今回はセフィーレさん達の護衛って事で来ているんだから、勝手なことは出来ない。予想を確認することはやめておこう。今度三人で、プライベートで来た時に確認しよう)


ゼルートはダンジョンについて色々疑問に思っている事があるので、検証してみた事があった。


そんな事を考えている内に、日も暮れてきて今日の探索は十六階層の下へと続く階段付近となった。

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