第206話少年期[196]戦術無型・・・・・・みたいな感じかな

「なぁ・・・・・・、カネルはゼルートがリザードマンに使った技・・・・・・技だよな? を見た事があるか」


「いや、あんな技は今まで見たことが無い。見た事は無いが、無防備になってしまうが今の一撃で、恐らくリザードマンの首の骨が折れたはず」


セフィーレは、ゼルートの戦いぶりを見ながら笑っていた。


「ふ、ふふふふ。全く。あいつの戦い方にはいつも驚かされるな。確かにカネルの言う通り、無防備になるかもしれないが、それも戦い方しだいだろう。それに相手と同数で戦っているのならば、それ程無防備と言う訳でもないはずだ。にしても・・・・・・確かに戦い方は常識に当てはまらない物だが、理にはかなっているな。急に視界から消え、腰を掴まれたら今度は急激に自分の視界が動くんだ。そして気づいたら首の骨を折られ、あの世行きだ。正直かなり恐ろしい技だ。まず、初めて見た者には対処は出来ないだろうな。首の骨を折られずとも、何かしらの傷は覆うだろう」


セフィーレのゼルートが使った技、バックドロップの説明を聞いたリシアは、ゼルートが使った技を純粋に怖いと思ったが。それを考えた(実際には考えていない)ゼルートに対して同時に尊敬する感情ももう一度沸き上がった。


「ゼルートさんは・・・・・・本当の意味で多芸な方ですが。戦い方も多芸な方ですね。まだ、そこまで長く生きているわけではないですが、ゼルートさん程たくさんの事が出来る方を見た事がありません」


「リシアの言う通りだな。・・・・・・体術の鍛え方とか、後でゼルートに聞いてみるか」


今までのゼルートの戦いぶりを見て来たソブルは、自分より年下でありながら剣術、魔法、体術、そして戦闘のセンス。どれも一級品の物を持っているゼルートの凄さを感じ取り、自分にも現状で出来る事以外に何か出来ることがあるんじゃないかと思い始め、自分に出来ることを模索し始めた。


「・・・・・・」


先程から何も声を発していないローガスだが、内心では自業自得なのだが焦りまくっていた。


(セフィーレ様の言う通り、あれを初見で喰らえば死んでも可笑しくはない。死ななくても重傷を負うだろう。もし、もしあれを私が喰らっていたら)


少し前にリシアの全く狙ってはいないが、ローガスの不安を煽るような発言を聞いたせいで、余計に不安な気持ちが大きくなっていた。


そんなローガスの様子を隣で見ていたラルは、ローガスが今どんな気持ちなのかを察して、呆れていた。


(全く。主に、ゼルートさんに喧嘩を売っておいて今更後悔するなんて、呆れて何も言えませんね。ゼルートさんに喧嘩を売ると言う事は、本当の地獄を見ると言う事と等しいのに・・・・・・本当にバカな貴族ですね。まぁ、まだゼルートさんがこのバカにまだ地獄を見せる気は無いようですが・・・・・・どうなるか、少し楽しみですね)


心の中でラルは、珍しく黒い笑みを浮かべていた。



「さてと、これで後一体だな」


ゼルートはバックドロップの態勢から戻り、短剣を持ち構え、もう一体のリザードマンの方を見ていた。


「・・・・・・」


仲間があっさりと倒された事にリザードマンは、もはや声すら出ない状態だった。

自分達は生まれてから一度も負けた事は無かった。魔物にも冒険者にも自分達は一度も負けなかった。

そんな自信があっさり壊され、棒立ちになっていた。


「・・・・・・おい、驚いて固まってのかもしれぇねぇが、もう抗う気はねぇのか? まぁ、俺はそれでもかまわないけどな」


ゼルートの言葉を聞いた、リザードマンは現実に引き戻され、あっさりと死ぬか、抗って死ぬかの選択を迫られた。

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