第200話少年期[190]コツって大事だよな

「ゼルート、私の部分的な魔力を纏っての強化はどうだった」


セフィーレはオークやコボルト達を倒し、ローガスに少し声を掛けた後、ゼルートの元に行って先程の戦いでの自分の魔力によっての強化の評価を聞いた。


「そうですね・・・・・・部分的にというところではほぼ完璧に出来ていると思います。ただ、込めている魔力の量が少し多いと思います。もっと纏う魔力の量が少なくても、セフィーレさんのレイピアは折れたりはしませんよ」


ゼルートはセフィーレの実力を理解した上でそう答えた。

だが、セフィーレはどこか不安げだった。


「・・・・・・何か思い入れのあるレイピア何ですか」


「っ、ふふ、ゼルートには隠し事が出来なさそうだな」


「別にそういう訳ではないですよ。ただ、随分と大事な物を見るような目だったので・・・・・・親族から貰った物ですか」


ゼルートの推測にセフィーレは眼を見開き驚いた顔をしていた。

セフィーレが持っているレイピアを、誰がセフィーレに送ったのかを知っているソブル達も驚いた顔をしていた。

アレナとルウナはいつもゼルートに驚かされっぱなしなので、これぐらいの事では特に驚きはしなかった。


「うむ、まぁ・・・・・・そんなところだ。それより話を戻そう。そういった思いもあって、ゼルートに指摘されても無意識に纏う魔力を多くなってしまうと思う。どうすればそれを克服する事が出来ると思う?」


「ん~~~~~、俺の場合はロングソードに魔力を纏う事が多いので、纏う魔力を薄く、それでいて力強く全てを斬り裂けるような切れ味を、と想像して纏わせています。セフィーレさんの場合だと細く、鋭く、そして全てを貫く、といった感じではないでしょうか」


「なるほど・・・・・・確かにイメージによるものも影響が大きそうだ」


そしてゼルートはまだセフィーレが覚えるには先だと思うが、もう一つのアドバイスをした。


「それと、セフィーレ様が覚えるのはまだ先になる・・・・・・というか先にしておいた方が良いと思う方法なんですけど、何かを斬る、突くといった動作をする瞬間にだけ魔力を纏わせる。それが一番効率が良いですね」


「なるほど、確かにそうだな。だが、何故今は覚えない方が良いんだ?」


「さっき言ったと通り、イメージが大事なんで、何かを斬る着くといった瞬間にその完全なイメージを完成させ、纏わせるのはかなりの期間が必要です。なので万が一が無いように一歩ずつまずはイメージからしっかりと固めていった方が良いと思います」


ゼルートの言葉にセフィーレは眼を瞑り、少しの間考え込むとゆっくり目を開けた。


「つまり・・・・・・焦って近道をしようとして後悔してしまうより、遠回りであったとしても一歩ずつ、確実に歩を進めてゴールに向かった方が良い。そういうことで当たっているか?」


「はい。その通りです」


「その割にはゼルートは難なくやってのけてるよな」


ソブルがゼルートに何でお前はそこまで完璧に出来ているんだ、といった目でをして聞いてきた。

カネルの模擬戦の中で少しだけだが、それを涼しい顔で行っていたのがソブルは気になっていた。


「あ~~~~~、それはあれですよ。年季の問題ですよ」


お前の歳で使う言葉じゃないだろっ、と喉元まで出かかったが、ゼルートが完璧な規格外と言う事を思い出してその言葉を飲み込んだ。


「よし、この話は一旦ここまでにして、魔物達を回収してからもう少し先に進んで野営出来る場所を探そう。ゼルート、魔物の回収を頼む」


「了解です」


ゼルートはせっせとアイテムボックスの中に魔物をしまい込んだ。

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