第199話少年期[189]熱く、焦ったら負け

(対人戦と対魔物戦は違うって事ぐらい習ってないのか? そもそもの身体機能が違うんだがら、対人戦に慣れてしまっているんだったら、余計にそこら辺を考えて気を付けなきゃならいだろうに。魔物に貴族の戦いのセオリーなんて本当に実力のある人じゃないと通じないのに。あっ、また余計なことを考えて戦ってなかったら躱せる攻撃を喰らってる。実力は低いってわけじゃないんだから、もう少し考えて戦えば良いものを・・・・・・ほら、セフィーレさんもなんだか、不満そうな顔してるし。いや・・・・・・単に自分が戦えてないから不満そうな顔をしてるだけかもしれないな)


ローガスの戦い方に不満が爆発しているゼルートに、アレナが危ない戦いになっているローガスを見ながら声をかけた。


「ゼルート、助けなくていいの? あのままだと、万が一の可能性は十分にあるわよ」


アレナの、万が一と言う言葉にゼルートはどうするか悩んだ。


(そうだな・・・・・・依頼内容は正確に言えばセフィーレさんの護衛だから、坊ちゃん貴族を守る必要はぶっちゃけ無いんだよな。というか、今回の戦いで貴族・・・・・・権力を持っている者特有のプライド? みたいなものがボロボロのになってくれれば良いんだけどな。まぁ、アフターケアはソブルさん達に任せるけど)


ゼルートはローガスの戦いを後ろから不機嫌な顔をしながら観戦しているセフィーレを見て、問題はないだろうと思った。


「心配しなくても、後ろにセフィーレさんがいるから大丈夫だろ。まぁ、危ない戦いをしているのは理解しているけどな」


ゼルートの言葉にルウナはそうだなと、頷いた。


「人を想定している戦い方に特化しすぎている、と言えばいいのか? いや、でもその割にはゼルートには摸擬戦とはいえ、完敗だったし・・・・・・中途半端な力しか持っていないな、あの傲慢貴族」


ルウナの完璧にローガスに喧嘩を売っている言葉に、ゼルートとアレナは思わず吹いてしまった。

ツボにはまったのか、二人はしばらく声を出さないように声を抑えながら耐えていた。


結果、ローガスが態勢を崩し、オークが持っていた斧を喰らいそうになったところで、セフィーレがしびれを切らし、レイピアで一突きで倒した。


そこからは、残っていたのがローガスが事前に減らしていたとはいえ、圧倒的に短い時間で残りのオーク、コボルトを突き、斬り殺した。

魔力を部分的に纏って強化する方法も殆ど自分の物にしており、危なげなく戦いを終わらせた。


「ふぅ。ん~~~~、まだ少しコントロールが今一つだな。後でそこら辺をゼルートに聞いてみるとしよう。ローガス。立てるか?」


「・・・・・・は、はい!!」


ローガスはセフィーレの圧倒的に、それでいて流れるような戦いに見惚れおり、セフィーレの言葉に反応が遅れた。そして、自分の為にセフィーレの手を煩わせてはならないと、体に鞭を打ち、立ち上がった。


「そうか、だがあまり無理はするな。ソブル達も相手に大きく苦戦した様だから、ここで少し休息をとるようにゼルートに提案する。体力回復のポーションはしっかりと飲んでおけ」


「わ、わかりました」


セフィーレの言葉にソブル達の方を見て、ソブル達がオークの上位種に勝利した事を知り、自分が魔物相手に不覚を取り、セフィーレに助けてもらった事を思い出して拳を強く握りしめ、悔しさをかみしめていた。

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