第198話少年期[188]戦い方も固いな

「ふむ、オークとコボルトか。物足りない気がするが我慢するとし・・・・・・」


セフィーレは目の前の魔物達の強さに若干不満を覚えながらも、体を動かす相手にはちょうど良いかと思った。だが、それをローガスは悪気があったわけではないが、邪魔をする形になった。


「このような魔物共相手にセフィーレ様が態々手を出す必要はありません。私が全て相手します」


「む、待て。それでは私が・・・・・・」


戦うことが出来ないじゃないかと、セフィーレが言い終わる前にローガスはオークとコボルトの集団に走り出した。

その様子にセフィーレは残念そうにため息を一つ尽いた。


「は~~~~~~~、全く。せっかく十階層以降に入ったのだから私も体を動かせると思ったのだがローガスの奴、いらないことをして・・・・・・とは言えないのが辛いところだな。悪気があっても行動ではないしな。一先ずは様子見とするか。とりあえずこちらに漏れて来た奴だけ倒すとしよう」


そう言うと、セフィーレはソブル達の方をチラッと見た。


(カネルは・・・・・・大した魔物はいないな。カネルもどこか不満そうだな。そしてソブルとリシアの方だが・・・・・・向こうは当りみたいだな。いや、二人のとってははずれか。普通のオークの上位種ではなさそうだな。ランクは・・・・・・Cはありそうだな。助太刀に行った方が良さそうか? いや、ソブルには何か考えがありそうだな。手を出すのはもう少し見てからにするか)


ソブルとリシアを少し羨ましそうな目で見ながら、セフィーレはとりあえずローガスが戦い終わるのを待った。


ローガスがセフィーレを止め、自分がオークとコボルトの集団に挑んだのには主であるセフィーレの手を煩わせないようにするのは勿論だが、もう一つ理由があった。


それは、今までの自分の悪くなった印象を少し直すためだった。


(目の前の魔物どもを蹴散らせば、セフィーレ様からの印象も少しは良くなるはずだ。そのために、貴様らには糧となってもらうぞ)


ローガスは自分が走り出したと同時に向かってきた、コボルトの爪を避け、心臓を貫いた。


「ギャブッッ!!」


心臓を貫かれたコボルトは、血は吐き出し一瞬で絶命した。

ローガスの槍がコボルトの心臓に一番深く刺さった瞬間を狙って、もう一体のコボルトが短剣を右手に持ち、ローガスの頭部をめがけて振り下ろしてきた。


「ガルルルルルル!!!!」


「ふん、遅いわ!!!」


ローガスは心臓から槍を抜き、襲ってきたコボルトの短剣を弾いた。

そして態勢を立て直し脳を狙い、突きを放った。

その突きは寸分狂わずに、コボルトの脳を貫いた。勿論命を奪った。


「ぐはっっ!?」


だが、ローガスは後ろから攻撃を貰い前のめりに倒れてしまった。

ローガスは態勢を立て直し、直ぐ後方を向いた。そこには木の棍棒を持ち、攻撃を加えた事に対して優越感に浸っているのか、ニヤッと品の無い笑みを浮かべていた。


「くっ、流石魔物だな。汚い手を堂々と使うな。だが、その程度でやられる私ではない」


ローガスは真正面からオークに向かって攻撃を放った。


(・・・・・・あいつあんなに弱かったけ? あんなにモロに不意打ち喰らうとか、いくら何でも目も前の相手に集中し過ぎなんじゃないか? 一対多数って事を忘れていそうだな。というか、あいつの戦い方無駄が多すぎないか? なんつーーーーか、騎士としての戦い方、みたいな感じだな。槍の使い方もなんというか、人を相手に、一対一を想定した戦い方だな。もう少し柔軟な戦い方しないと、万が一があり得そうだな)


ゼルートはローガスの戦い方に不満たらたらだった。

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