第197話少年期[187]疑問と安堵

「まぁーーーにしても、俺とリシアだけであのオークウォーリアー? を倒せるなんてな。なぁ、ゼルート、あのオークウォーリアーは直観的に感じたんだが、普通のオークウォーリアーの強さとは違ったよな」


ゼルートは先程二人が戦っていたオークウォーリア―の強さを思い出しながら答えた。


「そうですね、ジェネラル以下の上位種にしては強かったと思います。特に力は強かったんじゃないでしょうか。ソブルさんかリシアさんが一撃でも貰っていたら、致命所になっていたと思います。ただ、成長はしていなかったと思います」


ゼルートの言葉の中の成長と言う単語に、聞き覚えがなかったのか、ゼルートに成長の意味を訪ねた。


「ゼルートさん、その・・・・・・私は魔物の成長と言う単語に聞き覚えがないんですが、どういった内容なんですか?」


リシアの問いに対して成長という単語知らないことに驚いた顔をしたが、リシアの性格からして、魔物の成長の事を知らなくても不思議ではないなと思い、納得した。


「えっとですね・・・・・・俺も一回しか成長をした魔物と戦った事がないんで、絶対という訳ではないんですけど、とりあえずこういう事なんじゃないのかっていう考えはあります」


「へ~~~~、ゼルートは実際に成長した魔物と戦った事があるのか。普通の魔物と違ってどういった強さを持っているんだ」


ゼルートは、過去に戦った事があるスケイルグリズリーと、自分が作った錬金獣と戦ったオークジェネラルの事を思い出しながら話した。


「まず、基本的には普通の同種族の魔物と比べて身体能力は高いですね。二倍もあると言う事は無いですけど、一点五倍ぐらいなら有り得ます」


自分で言っておいて、ゼルートは二倍は洒落にならないだろと思った。


「それから、普通は魔物が覚えないようなスキルや、その魔物が元々持っているスキルが同じ魔物と比べて高いという事もあります。後は、魔法を覚えない魔物っていうのは結構いるんですけど、そういった魔物が魔法を覚える事があります」


ゼルートの説明を聞いたソブルは、事前にそういった事を聞いてはいたが、体験者から話を聞いて事実だったんだとわかり、驚いた顔をしていた。


「その話は本当だったんだな。正直半信半疑だったんだがな。ゼルートが戦った成長した魔物はどんな奴だったんだ」


「自分が戦った魔物はスケイルグリズリーというDランクの魔物でした。基本的には表皮が固い熊の魔物って感じなんですけど、俺が戦った魔物は土魔法を使ってきました」


スケイルグリズリーが土魔法を使った、ということに関してやっぱり驚きを隠せないソブルだったが、熊と土だとなんとなく相性が良いのでは? と思い、妙な納得の仕方をしてしまった。

話を聞いていたリシアが、もっともな質問をしてきた。


「魔法を使ってきたと言う事は、魔物も詠唱するんですか?」


リシアも自分で質問しておいて、本当にそんな事があるのかと思ったが、人間基準で考えれば基本的には魔法を発動するのに詠唱が必要なので、そこにもの凄く疑問を感じた。


(ま、まさか魔物が無詠唱で魔法を使うなんて事はありませんよね!?)


もしかしたらという考えに、リシアは自分で考えておきながら体を震わせていた。


「あ~~~~~、それに関してなんですけど、俺が戦ったスケイルグリズリーは自分の手足に岩を纏わせただけなんで、詠唱に関してはいまいち分からないですね。ただ、岩を纏うのに時間は多少掛かっていたので無詠唱で出来たりはしないと思いますよ。ほら、魔法使い系の魔物だって、直ぐに魔法を使えるわけではないじゃないですか」


ゼルートの考えに二人はなるほどと思い納得した。

そしてソブルは一番気になっていたことをゼルートに訊いた。


「その成長したスケイルグリズリーの強さは、ランクで言えばどのくらいの強さだったんだ?」


「そうですね・・・・・・総合的に考えて、Cランク・・・・・・いや、Bランクに片足突っ込んでいた気がしますね」


ゼルートの恐ろしい事実を聞いて、二人は自分達が戦ったオークウォーリアーが成長していなくて良かったと心底思った。

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