第196話少年期[186]血塗れの僧侶?

「はあああああああああ!!!!!」


「ゴブフウウウ・・・・・・」


リシアのほぼ全魔力が籠ったメイスの一撃がオークウォーリアーの脳天に見事に決まり、オークウォーリア―の頭がぐちゃぐちゃに潰れた。


生きる上での重要な機関、脳を壊されたことによってオークウォーリアーは膝から地面に崩れ落ち、絶命した。

地面に倒れ、動かないオークウォーリア―を確認したリシアは、一安心してソブルの方に振り返った。


「ソブルさん!! やりましたよ!! 私達が倒したんですよ!!」


オークウォーリアーを倒せたことにテンションが上がっているリシアを、ソブルは口を押えながら笑っていた。


「ぶふっ。そ、そうだな。お、俺達が倒したんだ。ふ、ふふふ。さ、最後の一撃は良かったと思うぞ。ぷぷ」


「あ、有難うございます。そ、ソブルさん。なんで笑っているんですか?」


自分をみて笑っているソブルを見て、不思議の思ったリシアは今の自分の姿に疑問を持たずに聞いた。


「いや、だってな。今のお前の姿凄いぞ。回復役がメイスの一撃で倒すのもあれだが、服が血に染まっているのがな。それに服が白いから余計に、な」


ソブルの言葉を聞いたリシアは直ぐに自分の服を見た。

真っ白だった服はオークウォーリアーの頭をぶっ潰したことにより、噴出した血が思いっきり服に掛かっており、中々ホラーな状態になっていた。


「な、なあああああああ」


リシアは今の自分の惨状をようやく理解し、顔を思いっきり赤くしながら声を上げた。


「そ、ソブルさんが指示したんじゃないですか!!」


「いや、それはそうかもしれないだけさ、でもよ・・・・・・ブフっ、やっぱり笑いが止まらねーよ」


怒るリシアに対して、やっぱりどこか可笑しいのかソブルは笑いが止まらなかった。


「まぁ、まぁ、そこら辺にして。取りあえずこれ飲んでくださいよ」


後ろで二人の戦いぶりを見ていたゼルートは、ソブルと同様にリシアの服が血だらけの状態に対して顔に出さずに、心の中で笑いながら魔力回復のポーションの入った瓶を渡した。


「ありがとな。助かるぜ。戦ってる時間は実際そんなに長くなかった筈だが、魔力はほとんど使い切ってしまったからな」


「私も、最後の一撃に魔力を全部使ってしまいましたので、とてもありがたいです」


二人はゼルートに貰ったポーションを一気に煽った。


「にしても・・・・・・うん。ソブルさんが今のリシアさんを見て笑ってしまうのも、仕方ないと思いますね」


「だろ。やっぱりそう思うよな」


「な、ゼルートさんまで!! 私だってこんな風になりたかったわけじゃないんですよ!!!」


二人して自分を笑う二人に対して、リシアは顔を赤くし、少し涙目になりながら怒っていた。


「そんな怒らないですよ。何とかしますから」


そう言うとゼルートは、リシアの服に着いた血を水魔法の応用で抜き取った。


「えっ、これは・・・・・・凄いです!! 元に戻りました!!!」


「・・・・・・またまた驚かされたな。ゼルートは本当に多芸だな。それも魔力の応用で出来ることなのか?」


ソブルの質問に、ゼルートは少しソブルの考えに訂正を加えて説明した。


「まぁ、そんなところですね。正確には水の魔力の応用です。血は液体ですからね。水魔法と魔力操作を同時に鍛えれば出来ますよ」


「なるほど。俺達の中で出来そうなのはカネルかな。あいつ戦闘に関しては器用だからな。出来なくもなさそうだな」


「ソブルさん、その言い方カネルさんに失礼ですよ」


戦いがまだ終わったわけではないが、三人は楽しく笑いあっていた。

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