第194話少年期[184]考え抜こう

ゼルート達がバンデットゴブリン達に襲撃を受けた場所から移動を始めて一時間、十一階層でゼルート達は魔物からの二度目の襲撃を受けていた。

襲ってきたのはオーク、コボルトの二種。中には上位種も混ざっていた。


「はぁぁぁああああ!!!」


「ブモオオオ!!?? ・・・・・・」


カネルに木の棍棒を振り下ろしてきたオークは、逆に大剣で手元から棍棒を斬り落とされた。

カネルは切り落とした勢に乗って一回転し、大剣に魔力を纏わせ、体を横一閃に斬り裂いた。


「ふぅ、纏わせる魔力を一瞬だけに抑える。確かに魔力の消費を抑えることが出来るが、中々集中力がいる、なっ!!!」


カネルは自分の後ろから襲い掛かって来たコボルトの短剣を、大剣の腹で受け止めた。

奇襲が失敗したコボルトは直ぐに後ろに飛びのき、飛び掛かるタイミングうかがっていた。


「オークの次はコボルトか・・・・・・相手に恐れず襲い掛かる。本当なら恐ろしい事なのだろうが、正直相手が弱ければ面倒としか思えないな。だがまぁ・・・・・・何があるか分からないのがダンジョン、だな。気を引き締めて行こう」


コボルトに先手を許すことなく、カネルは足に魔力を纏いコボルトに斬りかかった。


その様子を後方から見ていたゼルートは戦力差を考えれば、明らかなオーバーキルだなと思った。



ソブルとリシアはオークの上位種を相手にしていた。


「大丈夫ですかソブルさん」


「ああ、なんとかな。他の大勢のオークはセフィーレ様がヘイトを集めてくれているから助かっているが・・・・・・上位種のオークってこんな強かったか?」


ソブルとリシアが相手をしているオークの上位種、オークウォーリアーは他の上位種と比べてレベルが高かった。


「いっぱしのロングソード持ってるし・・・・・・種類的に俺じゃ少し厳しいな」


「私も、攻撃は通るかもしれませんが速さが足りません」


二人は万が一の時にはゼルートの援護が来るとは分かっているが、こんなところで躓いてられないという思いが強く、この状況をどうにかしようと思考していた。


(こいつはランク的にはDの筈だが、レベルを考えればCでもおかしくはない。おそらく防御力が高く俺の攻撃はあまり効かない)


(相手はオークだからか私の方を狙って来る。だからソブルさんが私を庇いながらの戦いになってしまっている。私のメイスならダメージを与えられるかもしれないけど、致命所になるかは分からない)


二人の考えは良くない方向に向かっていた。だが、常識をぶち破るような存在なゼルートの事を思い出した。


(そうだ、あいつは強い。俺なんかとは比べものにならないほど強い。だが、強さだけじゃないだろ。考えろ! もっと考えるんだ)


(ゼルートさんはとても強い。私では想像もつかないほど強いはず。でもただ単純な強さだけで戦っているわけじゃない)


目の前の高レベルなオークウォーリア―をどう倒すか、二人は思考か加速した。

先に作戦を思いついたソブルが、早口でリシアに作戦を伝えた。


「って感じだが、出来そうか」


「・・・・・・やります。絶対に成功させます」


ソブルが話した作戦に自分がキーマンだと分かったリシアは、メイスを力強く握りながら宣言した。


「気を張るのは良いけど、あまり緊張しすぎるなよ。後ろにはゼルートがいるんだ。もっとリラックスしていけ」


ソブルの一言で気が楽になったリシアは先程より表情が良くなり、良い感じに肩の力を抜けていた。


「そうですね。分かりました!!」


「おし、いくぞっ!!」



※ソブル達が考えている間、オークウォーリア―は恐れを感じない筈が、ゼルートの威圧のスキルにより動けなかった。

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