第191話少年期[181]なぜそうなったのか

「多分ですけど、一階層から十階層の洞窟型では、魔物のにとってダンジョンの中に入って来た冒険者達を倒すこと以外に、やることがないんだと思います。でも、森の中ならば魔物にとって、冒険者を倒すこと以外にやることがあるんじゃないか・・・・・・って気がします。本当に単純な予想ですけどね」


魔物にとって何が娯楽なのかゼルートには分からなかったが、ダンジョンの中入って来た冒険者を殺すことだけが、魔物が欲求を満たす方法ではないと思った。


「・・・・・・なるほど、単純な発想かもしれないけど中々出てこない考えね。案外間違いではないと私は思うわ」


「私もそう思うぞ。魔物にも我々を殺すこと以外にも興味がある可能性もなくはなさそうだしな」


アレナとセフィーレは盲点だった、という感じでゼルートの考えに共感出来た。

ルウナ達も魔物の習性それほど詳しいわけではなかったが、信じられない話ではないと思った。


「それにしてもゼルートさんは随分と多芸で、知識も豊富ですが冒険者になる前は誰かにそういったことを教わったのですか?」


リシアはゼルートの年齢にしては未知に対しての考えや、技術の高さに驚かされっぱなしで、幼い時からそういったことを教えてもらった人がいるのかと思った。


リシアの質問に対してゼルートは特に隠すことでもないので、包み隠さず話した。


「・・・・・・特に誰かに教わったわけじゃないですよ。俺の家にそんな余裕は・・・・・・なくはなかったですけど、家に家庭教師を呼んだりはしていませんでしたよ」


侯爵家と伯爵家から全財産を賭けの対象として手に入れた事を思い出し、ゼルートは今の自分の家には男爵家としては考えられないほどお金があることが思い出した。


「それではどういってそのような技術や考えを得たんですか? かなり色々な経験を積んだ人に教えてもらわなければ、無理な話だと思うんですが」


「そうですね・・・・・・まぁ、俺の場合はまず自我が確立するのが早かったので、自分で何かを考えられるようになるのが早かったんですよ。それと、考え方が少し普通の人とずれていたというか・・・・・・まぁ、そうでなければあんな問題は起こさないと思いますし」


ゼルートの言う問題という言葉を聞き、一人を除いてその他全員がその問題の内容を察して確かにそうだと思い、頷いた。


「それにラガールがいたのでそういった基本的な知識は教えて貰いました。後はそこから自分流にアレンジを加えていって、自分だけの技術にしていったって感じですかね。後、貴族と言っても俺は次男だったんでそこまで勉強することが無かったんですよ。そういった事を練習する時間はたくさんありましたね。今こうして色々、多芸なのはそれくらいが主な理由です」


自分が転生者という事だけは伏せ、ラガールの事を利用して、少し嘘を混ぜてゼルートは説明した。

そしてゼルートの事を貴族だと知らなかったローガスがもの凄く驚いた・・・・・・変な顔をしていた。


「あーーー、なるほどな。確かに自我が確立するのが早くて、小さい時に基本的なことを教えてくれる人・・・・・・ドラゴンがいて、そもそも発想が斜め上をいっていて、時間がたっぷりとあるとなれば、不可能な話ではなさそうだな」


「確かにな。・・・・・・うん、今ままでの生活に不満があるわけではないが、ゼルートが送っていたような生活も悪くはなさそうだな。驚くことはたくさんありそうだがな」


カネルの意見に、ゼルートは断然自分の生活の方が良いのでは? と思った。


(俺的にはこの世界に関してだと、貴族の上下関係を気にしながら王都で生活をするよりは、自然が多い田舎で暮らす方が良いとは思うけどな。娯楽は無かったら自分で作ればいいんだし。ご飯だって魔物の肉なら普通のご飯より美味しいしな)


ゼルートの考えは間違っていないような気もしなくはないが、やはりどこかずれている考えだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます