第184話少年期[174]さてさてどうしようか

「ほいほいっと、相変わらずの手ごたえの無さだな」


ゼルートは地面に転がっているバインドスネークとブラウンウルフを見ながらため息をついた。


「ゼルートの言う通りだな。だが、相手を拘束して動きを縛るバインドスネークと、Eランクの中では動きが速い部類に入るブラウンウルフが、一緒に襲い掛かって来るとは、魔物も随分と頭を使って来るみたいだな」


「言われてみればそうだな・・・・・・まぁ、バインドスネークの肉は美味しいから、いくらあってもいいんだけどな」


ゼルートはバインドスネークを、ルウナはブラウンウルフの爪と牙を回収した。


「簡単に倒してしまうところも凄いですが、戦い方に無駄がありませんね」


カネルは二人の戦いぶりを見ながら、二人の戦い方に改めて感心していた。

隣にいたソブルも、カネル同様に二人に戦い方に感嘆していた。


「そうだな。合計で十数体いたバインドスネークをその場から動かずに、後ろに一体も逃がすことなく仕留めている。それに冒険者だからか、魔物をほとんど傷つけずに倒している。そこからでも技量の高さが分かるな。ふーーーーー、俺も少し鍛えなおさないとな」


二人の戦いを見ていたセフィーレも口には出していなかったが、今後自分をどう鍛えていくかを考えていた。


(ふむ・・・・・・私もレイピア以外に、常時使える武器を持っていた方が良さそうだな。ゼルートは今のところロングソードと素手、魔法による戦いしか行っていないが、おそらく他の武器もある程度実戦で使えるはず。私の場合・・・・・・やはり無難な短剣かロングソードから始めてみるか。私が使っている愛剣が、いつ折れるかなんてわからないからな。それに体術ももう少し鍛えた方が良さそうだな。それにゼルートが教えてくれて魔力操作も・・・・・・ふふ、まだまだ強くなれる方法があるというのは、やはりいいものだな。本当に、今回の護衛にゼルートを推薦してくれた姉上には感謝しなくてはならないな)


一人で納得しながらうんうんと頷いているセフィーレを見て、リシアは首を傾げながらセフィーレを不思議そうな顔で見ていた。

アレナはセフィーレが何を考えているのか大体、予想がついていたので苦笑いしながら見ていた。


(まぁ、セフィーレ様達が感心するのも無理はないわね。私も会ったばかりの時は驚かされっぱなしだっだし。上のランクに行くほど、ステータスに頼った戦い方をする人は少なくなるけど、ゼルート程ステータスに頼らない人なんて初めて見たからね。それに今の状態でもあれだけ強いのに、常時自分に負荷をかけている。多分、慢心なんて言葉はゼルートの中には無いんでしょうね)


アレナはゼルートの事を尊敬しながらも、どこかでやっぱり戦闘、鍛錬バカだよなと思っていた。


そして最後尾では、勿論坊ちゃん貴族がゼルートとの力の差を感じて歯ぎしりをしていた。


戦闘が終わってから一時間程移動したところで、ルウナの気配感知に反応があった。


「これは・・・・・・スンスン。ゼルート、前から四人の冒険者が向かってきている。そのうちの二人が怪我をしているがどうする」


ルウナから相談され、ゼルートが考えている内に前から四人の冒険者がやって来た。

四人の内の一人が重症の様で担がれている。

そしてパーティーのリーダーらしき少年がゼルート達を見つけると、いきなり頭を下げて大きな声で頼みごとをしてきた。


「す、すみません。も、もしよければポーションを頂けませんか。お金は地上に戻ったら必ず払うのでどうか、お願いします!!!」


少年のいきなりの行動に、パーティーメンバーが驚いた表情を浮かべた。


「ちょ、ちょっとラング! あんた、いきなりそんなこと言って私達にはそこまでお金に余裕がないのよ!!!」


「でも、こうでもしなきゃメイナが助からないかもしれないだろ!!!!」


アレナとルウナは、こういった場面は基本的にパーティーのリーダーが決めることなので、ゼルートに任せることにした。

セフィーレ達も、冒険者同士のやり取りということで、口を出さないようにしていた。

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