第180話少年期[170]間違ってなかった行動

「ふむ、こうも毎回ゼルートに料理をご馳走になっていると、指名依頼とは別に何か報酬を渡した方が良いかもしれないな」


セフィーレはゼルートと出会ってから、飯の時間になるたびにゼルートが事前に買っておいた料理をご馳走になっている事に対して、申し訳なさを感じていた。


「そうですね・・・・・・ゼルートさん。何かご要望はありますか? 私達が叶えられる範囲の物なら何とか致しますが」


リシアからの提案にゼルートは、どう答えるか悩んだ。


(別に、俺的にはまだまだ金に余裕があるから、大した出費じゃないんだよな。それに今、別段欲しい物があるわけでもないしな。そうだな・・・・・・まぁ、今決めなくてもいいよな)


ゼルートは今、無理やり決めない方が良いと判断し、とりあえず保留にした。


「そうだな・・・・・・今は特に何も思いつかないから、とりあえず保留で頼む」


「そうか。もし何かあれば遠慮なく伝えてくれ。アレナ殿の件もある。恩はしっかりと返したい」


セフィーレの言葉にゼルートは直ぐに姉のミーユの事を思い出したが、それとこれは違うのでは? と思い、遠慮しようとした。


「あの、アレナの件については七割方自分の判断なんで、そんなに気にする事は・・・・・・」


「だが、後の三割方は姉上やアレナ殿を思っての行動だったのだろう」


「いや、まぁ、確かにそうなんですけど・・・・・・」


ゼルートはオークションの時、ミーユと対抗して金額を上げていた見るからに性欲に塗れた目をしていた豚貴族を思い出した。


(あんな性欲と権欲に塗れた目をしている奴に買われたらどんな目に合うかなんて、目に見えて分かるからな。そりゃ、助けたくもなるだろう。おまけに隣で、本気で悔しく歯ぎしりしている美人さんがいるんだ。財力あるんだったら、そのまま見逃す訳にはいかないだろ)


ゼルートはあの時の状況を思い出し、今こうなっていることを考えると、あの時の自分の行動は間違ってなかったんだなと思えた。


「・・・・・・わかりました。何かあった時に是非、頼らせてもらいます」


「うむ、是非そうしてくれ」


満足のいく回答を聞けたからか、セフィーレは見れば、誰もが見惚れる笑顔をしていた。

実際に安全地帯にいる、男の冒険者達や、女性の冒険者達までもがセフィーレに見惚れていた。


勿論、もれなくゼルートも見惚れており、一気に顔が赤くなった。

そしてそれを見たアレナとルウナがニヤニヤしており、それに気づいたゼルートは無理やり話題を出し、気を紛らわそうとした。


そして食事がゼルートが取り出した結界石を見て、ひと騒ぎがあったのは必然だろう。




「はぁ~~~~、本当にいつ見ても豪華すぎるわね。ルウナのもそう思わない?」


「ああ、私も同じ意見だ。贅沢過ぎて天罰が下るのではないかと心配しする程だ」


ゼルートが作ったお手製のテントの中は広々とした部屋になっている。

マジックバックやリングを作る要領で中を広くしてベットが三つ、テーブルを囲んでソファーが二つ、そして風呂、調理台・・・・・・。まさに、至りつくせりな空間になっている。

ちなみにベットと、布団テーブルはゼルートが作った。もはや趣味の領域を色々と超えている。


「何言ってんだよ、もう今更だろそれは。それに作ったの俺だから天罰なんて落ちないから安心しろルウナ」


なんてことはない様に言うゼルートを見て、二人は諦めてソファーに腰を下ろした。

ラルは、ラル専用に作られた布団に入り、の〇太君、顔負けの早さで寝てしまった。


「このテントも規格外だけど、まさか結界石まで持っているとわね。どこで手に入れたの?」


「まだ冒険者になる前に倒した盗賊達が、貯めこんでいた宝のにあったんだよ」


「・・・・・・分かってはいた事だが、ゼルートはまだ幼い時から規格外だったんだな。普通の・・・・・・いや、普通でない子供でも十二歳以下で、盗賊団を一人で倒すような真似は出来ないぞ」


ルウナの言葉に、そりゃそうだろうな、ゼルートは思いながらジュースを飲んでいた。

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