第174話少年期[164]三つのアドバイス

ニックと同じところまで飛び上がったゼルートは、マジックバックからトレントという木の魔物の素材から作った、木刀を取り出した。



「お、俺に。何を・・・・・・」


空中に蹴り上げられたニックは、痛みに耐えながらも目の前のゼルートに、分かっているが自分に何をするのかを、怯えながら訪ねた。


そのと問いにゼルートは無表情のまま答えた。


「何をって・・・・・・俺がせっかく説明したのにそれを無視した罰、かな」


他にも理由はあるけど、と付け足して言い終えたゼルートは木刀に魔力を込めニックを、地面にぶつかるまで叩きまくった。


顔面を、鼻を、腕を、足を、脛を、肘を、股間を、胸部を、膝を、ありとあらゆるところを、満遍なく叩いた。勿論殺さない程度に。


そしてゼルートがニックを、百回ほど叩いたところで地面に着いた。


「がはっ!!」


「っと。もうちょい叩きたかったけど、もう十分か」


ゼルートに叩かれまくったニックは、顔をボロボロになっており、全くイケメンとは呼べない顔になっていた。

体も骨折は、最初の一撃を貰った部分以外はしていないが、全身打撲状態になっている。


地面に倒れ伏している三人を見下しながらゼルートは口角を上げながら三人にアドバイスをした。


「さて、俺よりも弱いお前らにアドバイスしてやるよ。一つ、相手の強さを見た目で判断しないこと。二つ、相手と自分の力量差をしっかりと把握しておくこと。三つ、喧嘩を売って自分達が無事で済むと思わないこと、以上だ。」


そして一旦言葉を切ってから、最後にもう一言告げた。


言い終わると、ゼルートは三人組の前に体力回復のポーションが入った瓶を三本置いてセフィ―レ達の所に戻った。


「問題は解決しました。ダンジョンに入りましょう」


「そうだな。時間に余裕があるわけではない。直ぐにダンジョンに入ろう」


セフィーレの言葉と共にゼルート達はダンジョンの入口に向かった。

ゼルートが元にいた位置に戻ると、アレナが話しかけてきた。


「ゼルートにしては優しかったじゃない。体力回復のポーションをあげるなんて。それに気絶させて装備も奪ったりしなかったし」


「・・・・・・若干八つ当たりの部分があったしな。まぁ、あんな公衆面の前で、上から目線の俺の事をバカにしたのに、バカにした俺にボコボコにされたんだから、とりあえずこの街では暮らしにくくなるだろうな」


ゼルートの言葉を聞いたアレナは少し笑っていた。笑いながら、ため息を吐いた。


「はーーーー、やっぱりぶれないわね」


「私はその方がゼルートらしいと思うがな」


後ろから腹が減ったのか、干し肉をかじりながらルウナが声をかけて来た。

ルウナの言葉に気分を良くしたのか、ゼルートはニヤっと笑っていた。


「流石ルウナ、よくわかってるな」


「私はお前の仲間だからな。それくらい当たり前だ」


ルウナもゼルートの言葉に気分を良くしたのか、ニヤッと笑っており、尻尾が左右に揺れていた。

そんな二人の様子を見ていたアレナ、やれやれと、また苦笑いになっていた。


ゼルート達の様子を見ていたソブル達従者はゼルートに圧倒されていた。

ちなみにセフィーレの感想は流石ゼルートだな!! の一言だった。

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