第165話少年期[155]・・・・・・才能の無駄遣い、かな?

「まぁ~~~待てゼルート、せっかく来たんだ。もう少しゆっくり話そうじゃないか」


セフィーレは余っている椅子を叩きながら、ここに座れとゼルートに合図を送った。

誘われたゼルートは、どう答えればいいか非常に迷った。


(私的には魅力的な誘いだけど・・・・・・一応依頼上の関係は冒険者と貴族、公爵様だからな。そんな公爵家の次女様の部屋にあんまり長居するのは色々と不味い気がするんだよな。それにあの坊ちゃん貴族がセフィーレさんの部屋に入ってくるかもしれないからな・・・・・・まぁせっかくのお誘いなんだ。無下にするのも失礼ってものだろう)


最終的にセフィーレの誘いを断るのも良くないだろうとゼルートは思い、セフィーレが叩いていた椅子に座った。

ゼルートは何もないまま会話するのは良くないかと思い、マッジクバックの中から小さめのコップを取り出し、飲み物が入っている瓶を取り出した。

取り出された容器に入っている液体をセフィ―レは興味深そうに見ていた。


「それは・・・・・・紅茶か」


液体の色が茶色に近いことから紅茶なのではと、セフィ―レは推測した。


「少し惜しいですね。紅茶ではなくミルクティーです」


ゼルートはコッブに自作のミルクティー・・・・・・という程大したものではなく、この世界にある物で頑張って作ったロイ〇ルミルクティーを注ぎながら答えた。


「少し熱いのでゆっくりと飲んでくださいね」


「うむ」


セフィーレはゆっくりコップに口を付けながら、少しずつロイ〇ルミルクティー擬きを飲んだ。

ゼルートは自分は美味しいと思っているが、貴族の口に合うのか今更心配になって来て、心臓の音が鳴りやまなかった。


「これは・・・・・・中々飲みやすいミルクティーだ。貴族は勿論だが一般の人達にも飲みやすい物だ」


ゼルートはセフィーレの評価が以外にも好評だったので一先ずホッとした。

もう一口飲んでから、ロイ〇ルミルクティー擬きについて質問した。


「このミルクティーはゼルートが自分で作ったのか?」


「はい。まだ冒険者になる前に色々材料を集めて作りました」


セフィ―レはゼルートの言葉にかなり驚かされた・・・・・・というより、疑問が尽きなかった。


(私の記憶ではガレン殿が治めている土地はそこまで商人たちが立ち寄っているないはずだが・・・・・・そもそも貴族の次男とはいえ、どうやって交渉の物、金を手に入れたのか。全くもって疑問が尽きないな。確かにゼルートは戦闘面は多芸だが、そういった面でも多芸なのかもしれないな。ふふ、見方によっては商人に見えるな。本当に接していて退屈しない者だ)


セフィーレは侯爵家の次女ということで社交パーティーに何回か出席したことがあるが、姉譲りかはたまた母譲りか、綺麗な顔立ちと男の目を奪うプロポーションを持っていることで、たくさんの男に言い寄られてきた。

だが、すべての男がセフィーレにとって全く興味のない自慢話をしてくるような者ばかりで、貴族の男にはほとんど見切りをつけていた。

勿論貴族の男性がボンクラばかりではないが、セフィーレと話が合いそうな男性に限って位の低い貴族なので、中々話そうにも会話を出来ない状況だった。

なのでゼルートの様なびっくり箱の様な存在の男と会うのは初めてで、会話をしていて心の底から楽しいと感じていた。


ちなみにゼルートが作ったロイ〇ルミルクティー擬きは、まず紅茶は領地に来た商人からポーションで儲けた金で買っていた。牛乳は牛を数頭飼い、錬金獣を使って世話をして手に入れている。

砂糖に関しては商人からも金で買っているがかなり貴重で、あまり多くは手に入らないので。生き物が住んでいない森の中の場所を選び、そこでスキルで創りだしたサトウキビの種を植えてサトウキビ畑を作っている。

そして、収穫したサトウキビを使って砂糖擬きを錬金獣達に作らせている。形は不格好だが、味はしっかりと砂糖になっている。

傍から見たら才能の無駄遣いに思うかもしれないが、ゼルートにとってはあまり自分のスキルに頼らず作れるという事が重要なので、マジで取り組んでいた。


こうして準備は出来、夜のティータイムが始まった。

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