第164話少年期[154]挑む者のプライド

ゼルートの質問にセフィーレは揺れていた。


(・・・・・・正直、私としては最下層に着くまでもゼルート達と一緒に闘いたい。だが、貴族として、依頼者として考えるのなら最下層に着くまで、魔物は全てゼルート達に倒してもらうのが得策なはず)


ゼルート達の実力なら自分達を無傷で最下層まで護衛出来るとセフィーレ理解していた。


(それに属性竜のラルがいる。それにゼルートのことだ、私達に見せていない手札がたくさんあるはずだ。必ず私達を最下層まで無傷で護衛することが出来るだろう)


それは明確な事実だった。ゼルートがためらいなく全力を出せば勝てる者はほとんどいないだろう。小国ぐらいなら滅ぼす事はゼルート一人で出来る。

最下層までゼルート達に完全に護衛してもらう方が効率がいいのは頭で理解できているが、セフィ―レにも譲れないものがあった。


(だが、それでは私がここに試練を受けに来た意味がなくなってしまう気がする。最下層のボスの魔物を倒すことが確かに試練だがそこにたどり着くまでも試練だ。そこに・・・・・・甘えはいらない。何よりアゼレード公爵家の次女としてのプライドが許さない!!)


セフィーレは考えが決まり顔を上げゼルートノ方を向いた。


「ゼルート、お前からの二つの提案だが・・・・・・一つ目のお前たちと一緒に闘うことを私は選ぶ」


セフィーレの答えにゼルートは、まぁやっぱりそうだよなと思った。

セフィーレの性格的に自分達に最下層まで完全に護衛させる事はないだろうと考えていたゼルートだが、一応貴族なので貴族らしい考えがあるかもと思い、今回のようなことを質問した。


そしてセフィーレはさらにゼルートに意見を出した。


「そして基本的には私達のサポートをしてほし」


「・・・・・・それはあまり前で戦わず、後ろから援護をしたらいいと言うことですか?」


ゼルートの言葉にセフィ―レは頷き、答えた。


「なるべく私の、私達の力で試練を成し遂げたいのでな」


セフィ―レの考えにゼルートはどう答えればいいか、かなり悩んだ。


(ん~~~~~、セフィーレさんの考え、思いは悪いわけではない。でも、それだとラルを連れて来た意味がな・・・・・・せめて一回ぐらい強い奴と戦わしてやらないと、不満が溜まるだろうな。前回のゲイルはちゃんと強い奴と戦えたわけだしな。それに一層から十層までは正直、セフィ―レさん達が戦ってもたいして意味がない相手ばかりだと思うんだよな。うーーーーーむ・・・・・・)


ゼルートは十秒程悩み続け、ようやく答えを出した。


「わかりました。ただ、一層から十層までは本当にセフィーレさん達が戦っても意味がない相手なので俺たちが相手をします。それから一番下の最下層に着くまでに、周りと比べて頭一つ抜けている魔物がいた場合俺の従魔、ラルに相手をさせてください。俺は基本的に従魔とは別行動をしていまして、今回は強い奴と戦えるかもといったいことで連れて来たので、そこら辺を承諾してくれるなら俺はセフィーレさんの考えで、ダンジョン内の護衛を進めても構わないと思っています」


「そうか・・・・・・」


セフィ―レはゼルートに自分の考えを否定されなかったことに、内心ホッとしていた。

内容を少し変えてほしいという願いも全然許容範囲だったので、問題なく聞き入れた。


「それぐらいならまったく構わないぞ」


セフィ―レの了承の言葉を聞いてゼルートもセフィ―レ同様、内心でホッとしていた。


「ありがとうございます。それでは明日の方針も決まったのでそろそろ俺は部屋に戻りますね」


そう言ってゼルートが部屋を出ようとしたが、それをセフィ―レが引き留めようとした。

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