第162話少年期[152]慣れないことは照れくさい

「えっと・・・・・・ゼルートさん。一体何をなされているんですか」


リシアは恐る恐る、ゼルートに何故そんなことをしているのかと聞いた。

ゼルートは素直に答えようとしたが、一旦踏みとどまった。


(・・・・・・直球で俺に絡んでくる奴、理不尽な理由で喧嘩売ってくる奴はモンスターと一緒だ。だから戦利品を剥ぎ取っているって言うのはーーーーーうん、あまりよろしくないだろうな。まぁ、それらしい理由を付けておくか)


一拍置いてゼルートは理由を説明した。


「何って・・・・・・ただ迷惑料をいただいているだけですよ。後は・・・・・・調子に乗った罰ってところですかね」


ゼルートの説明を聞いてリシア達や、周りの人間もゼルートの行動に、あぁ~~なるほど! と納得していた。

アレナとルウナだけはゼルートが誤魔化して言っているのと、その理由が分かるので、心の中でナイス嘘!! と思っていた。


説明を終えたゼルートは蛮族冒険者の後ろで腰を抜かしており、今にもちびりそうな腰巾着の冒険者二人に告げた。


「とりあえずこれくらいで勘弁してやるよ。でも、これ以降俺達に迷惑かけるってんなら・・・・・・容赦しねぇから覚悟しておけよ」


ゼルートとしては護衛の依頼中なので、障害になりそうだと思った冒険者達に軽く殺気を浴びせながら脅した。


「「は、はいいいいいいいい!!!!!」」


冒険者二人はただせさえゼルートノの実力を目のあたりにして怯えていたのに、さらに殺気まで浴びせられ、生まれたての小鹿みたいにプルプルしていた。


そしてゼルートは二人に退出命令をした。


「わかったらその蛮族みたいな冒険者を連れてとっとと出て行ってくれ。せっかくの旨い飯が不味くなるだろ。あぁ、後そいつの両腕、両足に中級のポーションをかけてやるか飲ませるか、もしくは中級の回復魔法をかけてやらないと、そいつの冒険者生命終わるぞ」


基本的に骨折ぐらいなら時間をかければ、回復魔法、ポーションがなくても元に戻らなくはないが、複雑骨折や粉砕骨折などになると話は変わってくる。

再生、自己修復などのスキルを持っている人間がいれば話は別だが、ゼルートが言った通り中級の回復魔法かポーションを使わなければ、元には戻れない。人間の枠を超えた強さを持っているなら自然治癒で元通りになるかもしれないが、そうでない者の自然治癒の力では元通りになることはない。


ゼルートは情けとしてそれを伝えた。

それを聞いた二人の冒険者は足をプルプルさせながらも、蛮族冒険者を抱えながら逃げるように去っていった。


「ふーーーー。たくっ、酔っぱらいは本当に面倒だな」


セルートは一息つき、そうつぶやくと周りから歓声の声が上がった。


「良いぞ少年!!! かっこいいぞ!!!」


「なぁ、さっきの動き見えたか? 俺全然見えなかったぞ」


「いや、俺もだ。あの少年冒険者みたいだが・・・・・・一体何者だ!?」


「全くもって動きは見えなかったが強いと言うのは分かった。どうにかして縁を作っておきたいものだな。だが私の記憶が正しければあの方は・・・・・・」


「あの年であの強さですか・・・・・・是非契約を結びたいところですが、今はそういった雰囲気ではなさそうですね」


単純にゼルートを褒める者、ゼルートの動きについて驚いている者、ゼルートと縁を作りたいがゼルートよりセフィーレの事が気になる者、ゼルートと何やら契約を結びたそうにしている者等たくさんの人がいたが全員が、蛮族冒険者を追い払ったゼルートに感謝していた。


ゼルートはそんな光景に、照れくさくなり頬が少し赤くなっていた。

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