第161話少年期[151]・・・・・・それでも大人かよ

ゼルートは蛮族の様な冒険者に一気に詰め寄ると両腕、両足を魔力を纏った拳と足で、へし折った。


蛮族の様な冒険者は一瞬何が起こったのか分からず、キョントとした表情をしていたが段々と痛みが押し寄せてきて、子供の用に大声を上げた。


「ぎゃあああああああ!!!! いっ、痛ってえええええええええええ!!!!!」


大の大人が子供のように地面に転がりながら大声を上げている様子を、宿に泊まりに来た客や晩飯を食べるために来た客は何が起こったのかさっぱりだった。

後ろでどうしていいかわからず、オロオロしている腰巾着も目の前で何が起こったのか理解できていなかった。

ただ、蛮族の様な冒険者の前に立っている少年が何かをしたのかだけは分かった。


ゼルートはそんなに子供みたいに泣くことはねぇだろ、と思ったが自分がやったことを考えると仕方いのかとも思った。


実質、ゼルートはただ単に両腕、両足を殴って蹴って骨折させたわけでなく、殴った瞬間に内部に威力が浸透する衝撃波も放ったので、蛮族冒険者の骨は骨折というよりは粉砕骨折の状態になっている。


「流石、容赦がないわね」


「うむ、情けなしだな」


「ほほう、あの一瞬で魔力を練って放つか。やはり私も是非摸擬戦をしたいな」


「むぅ・・・・・・ほとんど線しか見えなかった。それに多分普通に攻撃しただけでは・・・・・・やはりまだまだ学ぶことが多いですね」


「っ・・・・・・ま、全く動きが見えませんでした。ソブルさん、今ゼルートさんは何をなされたんですか??」


「いや~~~~、恐らく拳と足に魔力を纏って両腕と両足? の骨を折ったんだと思う。まぁ、それ以外にも何かしてそうな気がするけどな」


アレナとルウナは、ゼルートの行動にスカッとしたのかご機嫌だ。

セフィ―レはゼルートの行動が全て見えていたので、ゼルートの実力がますます高いということが分かり、高揚していた。

カネルはゼルートの動きが少ししか見えなかったが、まだまだ自分が学べるところがたくさんあると思い、やる気に満ちていた。

リシアは基本的に戦闘職ではないのでゼルートの動きが全く読めなかった。なのでソブルに何が起こったのか聞いたが、ソブルも予想が着くだけでいまいち何が起こったのかは分かっていなかった。


ゼルートは転げまわっている蛮族冒険者を見て呆れていた。


(はぁ~~~~、ステータスは一応そこそこあるから、反撃の一つや二つはしてくるかと思っていたんだけど・・・・・・完璧に期待外れだな。才能だけで今までやってきたタイプか? まぁ、酒も飲んでいて若干酔っぱらっているみたいだし仕方ないか。にしても、多分こいつは返り討ちに合うなんて考えていなかったんだろうな。そうでなきゃ絡んできたりしないだろうしな)


ゼルートは食事の席でこれ以上耳障りな声が聞こえるのは良くないだろうと思い、右手を蛮族冒険者に向けると、スタンの三倍の威力はある雷の魔力を放ち、強制的に気絶させた。


「アガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!??????」


ゼルートの雷を受けた蛮族冒険者は壊れた機械の様な声を上げた。そしてゼルートが手を下ろすと、所々焦げている蛮族冒険者が黒い煙を吐きながら動かなくなった。

蛮族冒険者が完璧に倒されたことで、後ろにいた腰巾着は腰を抜かし、歯をカチカチ鳴らしながら怯えていた。

二人の冒険者は次は自分達が蛮族冒険者の様になるんだと思い、十歳ほど年下のゼルート完全に怯えていた。


だがゼルートは後ろの冒険者達には何もしなかった。

変わりにゼルートは蛮族冒険者が身に着けている手斧と、円型の盾、そしてマジックバックを自分のマジックバックに入れた。


その行動に周りの人たちは目が点になっていた。セフィ―レ達もゼルートの予想外の行動に驚いた表情をしていた。

周囲のそんな様子にアレナとルウナは苦笑いしていた。

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