第158話少年期[148]知らなかった事実

二十秒程アレナとルウナ、マグラスは言葉を発さずあまりにも衝撃的な事実に出来事に固まっていた。

ゼルートはそれを見て、このままじゃ話が進まないと思い三人に声をかけた。


「おーーーい、三人とも大丈夫か? 起きてるか??」


ゼルートが声をかけたことで三人は、金縛りから解けたかのように表情が動いた。

三人ともどうやら一周回って冷静になったようだ。


「・・・・・・若干お前さんの話が信じられんが、店の表にいるお前さんの従魔の強さの親って考えると納得できんこともないな。しかし雷竜帝の牙をこうして生きている内に見られるとは・・・・・・はっはっはっは、儂は相当運が良いな」


ゼルートはマグラスのラガールの素材に対する態度に疑問を感じた。

なのでラガールについてアレナなら何か知っているのでは、と思いゼルートはアレナに質問した。


「なぁアレナ。その、雷竜帝ラガールってそんなに凄いドラゴンなのか?」


確かにそこら辺のドラゴンとは違って、もの凄く強いドラゴンだとは思っていたが、具体的にどんな武勇伝があるのかは本人から聞いていないので、何故そんなに驚いていたのかゼルートには分からなかった。


ゼルートの質問にアレナはどう答えたらいいか迷った。


「・・・・・・ゼルート、あなた歴史とかあまり興味がないタイプよね」


アレナに質問されたゼルートは直ぐに頷いた。一応貴族として最低限の知識はあるが、歴史などの知識などに関しては殆ど無いと言ってもいいほどだ。


「今から確か五百年ほど前だったかしら。二体の竜帝が全力で戦った事があったのよ。戦うことになった理由は分かっていなかったけど、私達人族や、その他の種族のことを考慮してくれたのか、その戦いは人気のない山で行われたらしいわ。でも、戦いが終わると辺り一面更地だったらしいわ。そこ一帯には山がいくつもあったはずなのにそれが全てなくなっていた・・・・・・と歴史には書き残されているわ」


ルウナもアレナと同じ知識を持っているのかコクコク、と何度もうなずいていた。


その話を聞いてゼルートはラガールが会ったばかりの時に足に大きな傷があったのを思い出した。


(そういえば昔大きな戦いをして負った傷だった、て言っていたような気がするな。その傷を負った戦いの事か。まぁ、ラガールと同じぐらいの力を持つドラゴンが本気でぶつかり合ったら、山なんて直ぐに消し飛ぶだろうな。にしてもラガールそんなことしてたんだな。昔はやんちゃしてたとは言ってたけど・・・・・・まぁ、人に迷惑をかけないようにしているだけまっしか)


ゼルートはラガールの昔の事をそれほど知っていたわけではなかったので、ラガールがやらかしてしまった事の大きさを知って、自分の知っている温厚なラガールから想像できないので少し驚いた。


「・・・・・・もう、私はゼルートのこういった凄さで驚かないと思っていたが、また驚かせられてしまったな。本当に・・・・・・私達の主は凄いな」


ルウナの言葉にアレナは心の底からそう思い、ゆっくり、深く頷いた。


そしてマグラスはゼルートに、雷竜帝の牙をどうしてほしいのかを聞いた。


「さて・・・・・・ゼルート、お主はこれを儂にどうしてほしいんじゃ」


ゼルートはマグラスの質問に迷うことなく答えた。


「その牙を使って八個分の短剣を作ってほしい。俺とアレナとルウナ、そして家族の分です」


何も迷うことなく自分のだけではなく、仲間や家族の分まで頼むゼルートを見て、またもマグラスはゼルートに感心させられた。


(ふふ、こんな売ればそれこそ死ぬまで遊んで暮らせるほどの素材を仲間や家族の分まで作って欲しいと頼むか・・・・・・長い間生きてきたがこんなに自分以外の人を大切にすら奴久しぶりに見たな。それに鍛冶師の儂がこんな最高級の素材を使って武器を作れる・・・・・・本当に、鍛冶師冥利に尽きるというものじゃな)


マグラスは自分の膝を叩き、笑顔・・・・・・というより獰猛な笑みを浮かべながらゼルートの願いを聞き入れた。


「よかろう。雷竜帝の牙を使った短剣八本、儂の全身全霊を込めて作らせてもらおう!!!」

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