第148話少年期[138]やはり規格外

カネルは大剣から剣術スキルの技、斬撃を連続で使いゼルートの視界を塞いだ。

それに対してゼルートは焦らず同じ斬撃で相殺した。


斬撃の大きさからして大剣で放ったカネルの方が一見強そうに見えるが、込められた魔力はゼルートの方が強く、そんなアドバンテージは意味をなさなかった。


(結構斬撃には自信があったんですが・・・・・・さすが、ですね!!!!!)


自分の斬撃を同じ斬撃でかき消したゼルートを見て、少し自信を無くしそうになったがカネルは迷うことなく次の行動に移した。


カネルはゼルートに斬りかかるのではなく、大剣を思いっきり真下に振り下ろした。

その攻撃を斬撃を同じ斬撃でかき消した影響で出た魔力の霧により、一瞬視界が見えなくなった。


「次は何をっ!!?? なるほど、そう来るか」


ゼルートはカネルの攻撃に視界がふさがれながらも予測がつき、直ぐにその場から大きく飛びのいた。

そしてゼルートがいた場所からさらに七メートル程先まで地面が割れていた。


それを見たゼルートは乾いた笑みをうかべた。


「はっ、ははは。これは・・・・・・ちょっと甘く見てた、なああ!!!」


ゼルートが地面の惨劇を確認した瞬間、ゼルートに水の槍が迫って来た。

速さは普通だったが普通のウォーターランスと比べて二倍の大きさはあった。

速さは至って普通なのでゼルートは避けようと思えば避けられるが、避けずに拳に魔力を込め、拳に、纏った魔力に回転をかけて水の槍を殴りつけた。


「うおおおらあああああ!!!!」


ぶつかった水の槍はゼルートが魔力と拳に回転をかけた影響で、綺麗に円を描くように飛び散った。


それを見ていた二人、特にソブレは驚いた。


(ま、マジか・・・・・・いや、確かに魔法を拳で殴り飛ばす事が出来る冒険者がいるってことぐらいは聞いた事があるし、実際に見たこともある。でも、それをまだ十二歳の少年とも言える年齢の奴が出来るものなのか??? いや、絶対に無理だ。しかし実際にゼルート君はそれをやってのけている・・・・・・ということは単純にステータスが冒険者でいうBやA並みにあるってことか。本当に規格外な十二歳だな。十二歳でそんなステータスを持っている子なんて聞いたことがないぞ)


ソブルは苦笑いしながらも、そんなゼルートと知り合いになれた事に内心喜んでいた。

だがその分もうローガスには二度とゼルートに突っかからないでほしいと思った。


ちなみにセフィーレはソブレみたいなことは考えておらず、二人の戦いを見て戦いたい気持ちがどんどん高まっていた。


そしてカネルは自分のウォーターランスを魔力を込めた拳で殴りつけて防ぐという、基本的にあり得ない行動簡単にやってのけたゼルートに驚くどころか感心していた。


(全く、本当に常識はずれな方だな。本当に十二歳か??? 私も幼いころからセフィーレ様の従者になるために鍛えて来たが、おそらくゼルート殿の鍛錬は私の想像を超える物だろう。だが、それは諦めて良い理由にはならない)


カネルは自分の切り札の内の一つを使い、身体強化に加え魔力による体の強化もした。

そして本来なら槍術のスキルを大剣で自分なり改良しゼルートに向かって突っ込んだ。


ゼルートが丁度拳を振りぬいた後、大剣に水の魔力を回転させて纏わせて突きを放ってきた。

その絶妙なタイミングにゼルートは思わず舌打ちした。


(ちっ!!! なかなかいいタイミングで突きを放ってきたな。この態勢だと迎撃態勢には入れないな。くそっ、癪だが避けるか)


ゼルートは足に魔力を溜め、勢いよく噴射した。


「「「なっ!!??」」」


この行動に目の前で見たカネルも含め三人とも驚いた。

ゼルートにとってはなんでもない当たり前の行動だが、三人にとっては全く予測してない動きだった。

全く予備動作がない状態からの大きな跳躍。

カネルは完全に不意を突かれた。


カネルの攻撃を魔力の噴射によって空中に逃れたゼルートはニヤッと笑った。


「今度は俺のターンだぜ、カネルさん」


そう言うとゼルートは指先に魔力を込め始めた。

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