第141話少年期[131]自分で考えたことだからね

ゼルートは自分で考えた魔力操作の方法、魔力の塊を掌から出しそれを変形させることなく宙に長時間浮かせる。そして慣れたらそれを宙にいろんな方向に動かす。といった具合でどんどん難易度を上げていく事が出来る練習方法を教えた。


練習方法を聞いたセフィーレ達はなるほど、と感心した顔になっていた。

これが実力が低く、理解力のない者が聞いたらなんて魔力の無駄使いなんだと怒りそうだが、話を聞いていた五人は一定水準以上の実力があり理解力もあるので、ゼルートの練習方法がどれだけ効率の良い練習方法なのかが理解する事が出来た。


だが、セフィーレから魔力操作が苦手と言われていたカネルは勿論、大雑把な魔力操作は出来るが細かな魔力操作が苦手なルウナは、ゼルートの練習方法の凄さが分かり、とても効果的な方法だと理解できたがいざ自分がやってみたら成功しそうなイメージが全く浮かばなく、苦笑いになっていた。


ゼルートが提案した練習方法にセフィーレはもの凄く興奮しているのか、テンションが高い。


「ゼルート! この練習方法は私の家の兵士達にも教えていいだろうか!!?? いや、是非一般公開をするべき事だと思う。魔力操作訓練の革命と言ってもおかしくはないぞ!!」


ゼルートは興奮していてテンションの高いセフィーレを見て、苦笑いしていた。

自分が考えた練習方法をそこまで評価してくれるのは素直にうれしいと思ったが、一般公開するのはちょっと待ってほしかった。


「あーー、すみません。できれば他の人に教えたり一般公開するのは出来ればしないでもらえますか」


ゼルートの言葉にセフィーレ達三人は何故? といった顔をしているが、アレナは長年冒険者をしていたからなんとなくゼルートの考えが分かった。ルウナは直観的にだがゼルートの考えを察することが出来た。


「あの、ゼルート殿。何故私達以外の人に教えてはならないのでしょうか。ゼルート殿が提案してくださった魔力操作の練習方法は、セフィーレ様がおっしゃった通りまさに革命です。是非広めるべきと思いますが」


ゼルートの言葉に疑問を感じたリシアの質問にアレナがゼルートの代わりに答えた。


「答えは簡単なことよ。と言ってもあなた達みたいな善良な貴族と私達冒険者の考えが違うといったところよ。冒険者なら例えば珍しく金になるモンスターの巣を見つけたりなんかしたら、絶対に自分だけの秘密にして利益を独占しようとするわ。ゼルートがそういう事を考えている訳ではないけれど、自分で考えた訓練方法を自分の弟子以外の人に教えようとしたりする事は、基本しないでしょうね」


と、あなたの事はしっかりと分かっているのよといった目で、ゼルートの方を見ながらセフィ―レ達に言った。

ゼルートも自分があまり他の人に教えて欲しくない理由をセフィーレ達に告げた。


「アレナが言ってくれた事は大体合ってます。それにセフィーレさん達も自分達の家の代々受け継がれてきた技術とかは、他人に教えようとは思わないでしょう。少し理由は違うかもしれませんが大体そんな感じです」


ゼルートの考えに三人は納得のいく表情になっていた。確かに自分の家に代々伝わる技術を、赤の他人に教えようとは微塵も思わない。

話を聞いていたルウナも元王族なのでゼルートの言った事には同感で来た。


セフィーレは少し唸りながら考え込みながら考え答えを出した。


「・・・・・・確かにゼルートの言う通りだな。必ずこの練習法相は私達以外の者が知る事はないようにしよう」


「お願いします」


ゼルートは心の中でセフィ―レさんが話の分かる人で良かったと思った。

その後、外で護衛している二人のも教えてもいいかと聞かれ、勿論良いですよとゼルートは言ったが、坊ちゃん貴族は俺が考えた練習方法なんて絶対にやらないだろうなと確信できた。

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