第138話少年期[128]・・・こいつ本当に大丈夫か?

アレナとルウナはゼルートとローガスの実力の差をしっかりと理解できているのでまぁ、そうなるよなという表情をしている。

ガレスはゼルートの実力が自分の想像より上だったので、少し驚いた顔になっている。

セフィーレはやはり、と自分の想像通りの実力があったなという表情をしている。そして若干やっぱり自分が戦っておけば良かったと心の中で思っていた。

他の従者三人はローガスの攻撃が全て躱されている事と、ゼルートの予想外過ぎる実力に開いた口が塞がらないという顔になっていた。


ローガスはゼルートを本気の本気で殺しに行こうと思ったのか、ついには身体強化のスキルを使いスピードを上げ魔槍に魔力まで込め始めた。

確かにスピードは上がったが、攻め方が正道過ぎてゼルートにとっては簡単にどこに攻撃が来るかを予測出来るので、正直多少良い練習ぐらいにしかなってなかった。


正道・・・・・・王道過ぎる攻め方は確かに模範的な攻撃かもしれないが、ある程度の域に達している人からすればもの凄く読みやすく、予測しやすい攻撃だ。それにゼルートに対しての怒り、殺意が全く持って抑えきれていないのでさらに攻撃が読みやすくなっている。


ゼルートは流石に飽きて来たので、ハンデとしてロングソードをアイテムリングにしまい、素手で挑むことにした。

するとローガスのプライドをまた刺激してしまったのか、顔に青筋が浮かび攻めるペースが速くなった。

が、そのせいで精度が低くなってきた。


ゼルートはそれを見て精神年齢五歳児かよと心の中で爆笑した。


(はっはっはっはっはっは、本当に面白い程のピエロだなこいつ。攻撃も読みやす過ぎる。だけど、避けてばっかっていうのも飽きて来たから攻撃に移るとするか)


ゼルートは自分の右肩に放たれた突きを右手の甲で弾き、左の拳に魔力を込め前に突き出しブレットを放った。

放たれたブレットは良い感じにローガスの腹に決まり、魔槍を手放す事はなかったがその場で膝をついた。


そこでゼルートはローガスがギリギリで避けられるであろう速さで、ミドルキックを側頭部に放った。

ローガスはゼルートの考え通り本当にギリギリで躱すことが出来た。もう少し躱すのが遅くなっていたら、そこそこのイケメンな顔が良い感じのぼろくそイケメンになっていただろう。


そこからローガスは立ち上がることは出来たが、攻撃に転じることは出来なかった。

元々槍の攻撃範囲は広いが、懐に入られると基本何も出来なくなる。もちろんもっと実力が高い者、冒険者のA、Bランクになるとメインの武器以外にもある程度使える武器を持っているが、ローガスの場合はそもそも自分の槍の腕に相当自信があったため、万が一のために槍以外の装備を身に着けるという事をしなかった。


なので今のように懐に入られると、相手の攻撃を避けるという事しかで出来なくなっている。

ローガスも一応貴族なので魔法は使えるが、並行詠唱という動きながら魔法の詠唱を唱えることや、無詠唱という詠唱を唱えず魔法を発動できるようなスキルを持っていないので、ゼルートの態勢を崩して勝機を造る事などが出来ない。


ボクシングのコンビネーションや、空手の簡単な突きや蹴り等の攻撃を避けることは出来ているが、それもギリギリで避けているので自分の後ろに何が迫っているのかも確認出来ていなかった。


そしてローガスはゼルートにどんどん後ろに追い詰められると、木に避けた勢いでぶつかり何があったのかと後ろを振り向いた。

それを見たゼルートは、こいつ本当にセフィーレさんの従者なのかと思った。


(戦いの最中に後ろを向くとか・・・・・・殺してくれって言ってるようなものだろ)


ゼルートは心底呆れていたが攻撃の手は緩めなかった。

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