第136話少年期[128]何処にでも馬鹿はいるもんだな

セフィーレさんのいきなり私と戦ってくれと言う発言に、どう返したらいいのか全く分からず俺の頭は少しの間思考が停止してしまった。


するとセフィーレさんのお供・・・・・・いや、従者か。いかにも貴族至上主義ですよって感じの茶髪の貴族の青年が俺に何か言って来ようとしたところを、ガレスさんが面倒ごとが起こると思ったのかセヒィーレさんの質問に答えた。


「セフィーレ嬢、この者。ゼルートにもう少し理由を説明してもらっても良いでしょうか」


「む、そうだったな。流石に説明が足りなさ過ぎたな。理由としては・・・・・・」


セフィーレさんの理由を簡単にまとめると、姉のミーユさんから俺はかなりの強さを持っていると聞いたので、是非一度手合わせしてほしいとのことだった。後はあまり人前で言えるようなことではないのか濁された。


(・・・・・・濁された部分は、ある程度強く性格も悪くなければ自分の家に仕えないかという提案か、もしくはあまり考えたくはないが、どっかの国と近いうちに戦争があるから手を貸してくれといったものかもしれないな)


ゼルートは出来ればどちらともそうであってほしくないと思った。


そしてセフィーレさんが理由を説明し終えると、もう一度戦いを申し込んできた。


「というわけで私と戦ってくれないか?」


「えっとですね・・・・・・」


正直俺はどう返していいのか判断しかねていた。

別に俺としては戦ってもいいというか戦ってみたいが、もし怪我をさせてしまったら絶対に厄介なことになるからだ。

そして俺がどう答えていいか迷っていると、先程の典型的な貴族の青年がいきなり俺の事を乏して来た。


「セフィーレ様。セフィーレ様がこのような薄汚い者と戦う必要なんてありません! 第一まだこの者は冒険者になったばかりの少年、どうせこの歳でDランクなのもそこにいる従魔のドラゴンのおかげでしょう」


いきなりの自分への侮蔑のような言葉に、俺は面喰らった。そして昔貴族の子供達のお披露目パーティーで、自分に絡んできた三人のバカ貴族を思い出した。


(なんかかなり懐かしく感じるな。あんときはかなりボロカスにしたよな~~~、というかこの茶髪の坊ちゃん貴族は本当に阿保なのか? 目の前にいる人物が辺境伯て分かっていてあんな態度を取ってるのか? 結果的に自分の主の評判を落としているのに全く気づいていないみたいだな。

というか俺一応貴族と言えば貴族なんだけどな・・・・・・ま、ギルドの資料には名前だけしか載ってないし、まさか貴族とは思わないか)


俺が目の前のバカでアホすぎるな~~~と思っていると、セフィーレさんがムッとした表情で坊ちゃん貴族に反論していた。


「だがあの姉上が相手の実力を読み間違えることはないと思うんだがな。後ローガス、その貴族以外に対する言い方を直せ」


反論された坊ちゃん貴族は特に考えを変えることはなかったようだ。


「ミーユ様もその時はある事情でかなり心に焦りがあったはずです。それ故そこの者の実力を読み間違えたのでしょう」


・・・・・・ま、それは一理なくもないな。確かにあの時はアレナの事で心の中に焦りがあったと言えるからな。


それからもう一度セフィーレさんが俺と戦ってみたいと言うが、ローガスっていう坊ちゃん貴族がそれならば私がこの薄汚い冒険者と戦って実力を計ってやりましょう、と言ってきた。


俺としては少し戸惑いがあり、正直セフィーレさんと戦ってみたかったがガレスさんの面子を潰さないようにするためと、俺自身の目の前で調子に乗ったプライドが高い坊ちゃん貴族をボロカスにしたかったので、坊ちゃん貴族との戦いを受けた。


(一応依頼主の従者ってことだから、致命傷になるような傷を負わせない方が良さそうだとは思うけど・・・・・・恥をかかせるのはありだよな)


俺は心の中で黒い笑みをうかべていた。

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