第130話少年期[122]嫉妬は見苦しい・・・とも言えないな

オークとゴブリンの群れとの戦いが終わった後、とりあえず飯を食う前に今回の緊急依頼のリーダー的な人・・・・・・名前は忘れたや。


その人に自分達が戦った相手の事を報告した。やはりそこでもダンみたいに露骨に嘘だという顔はしなかったが、半信半疑な態度をとられたのでアイテムリングから死体と右耳を出すと信じてもらえた。


その後はいつも通りのシチューや焼き鳥等に加えて、オークの肉を焼いて骨付き肉の状態で食べた。


味はかなりのものだった。なんだろうな、そんな詳しくは説明できないが、旨味の成分が肉全体にしみ渡っているといった感じだったな。


普通のオークの肉でも十分おいしかったが、ジェネラルの肉は頭一つ抜けていた。


その上に少々香辛料もつけていたので思わず叫びそうなくらい美味かった。


というか無性に米が欲しくなってしまった。・・・・・・今度創造のスキルで焼き肉のたれでも創ってみよっかな。


それと、小麦粉はあるんだし頑張ってちねってみようかと一瞬思ったが、かなりの重労働になると思ったのでやらなかった。


そしてその後風呂に入る前にグレイスさんの娘さんの、ミルシェさんに魔法を使った戦い方を訊かれた。


最初はコーネリアさんに訊いた方が良いのでは言ったが、コーネリアさんは回復、支援系の魔法使いなのでそこら辺は相談出来ないらしい。


なので俺は話せる範囲で話した。


攻撃魔法を攻撃だけに使用するだけでなく罠、足止め、又は次の攻撃の布石して扱うこと。後俺が使っている無属性の攻撃魔法も教えた。


ミルシェさんは俺が言ったことを腰に着けている、小さなアイテムバックから取り出したであろう紙にペンで書き写していた。


隣で俺に殺気の籠った視線を向けてくるアホがいたが、無視しておいた。


俺の話を聞き終えたミルシェさんは、もの凄い可愛い笑顔で感謝の言葉を述べてからコーネリアさんの元に言った。やばい、惚れてしまいそうだ。


その後は前と同じで土魔法で石の風呂を造り、お湯を出してゆっくりと俺特製の露天風呂を堪能した。


だが、男風呂には俺とグレイスさんしかいなかった。


俺は気になったのでグレイスさんに訊いてみた。


「グレイスさん。ダンの奴はどうしたんですか?」


俺の質問にグレイスさんは難しそうな顔をしながら答えた。


「あ~~~~、なんて言ったらいいんだろうな・・・・・・まぁ、お前との差を大きく感じ取ったんじゃないか」


グレイスさんの答えに俺はいまいち意味が分からず、首を傾げてしまった。


「あいつはそこまで自分の力を驕っていたわけじゃないが、ある程度の自信はあった。それにAランク冒険者の息子っていうレッテルもあって、年上に負けることがあっても同年代、それより下の奴に負けられないっていう気持ちも多少はあるんだろうな。

実質あいつは何度か自分より年上の奴との摸擬戦でも勝っているし、Cランク冒険者の中でもそこそこの力はあるだろう。だけど今回のお前が倒したオークキングの死体を見て・・・・・・」


「プライドがボロボロになったってわけですか」


俺の言葉にグレイスさんは頷いた。


「そんなところだろうな。事実あいつは一対一でオークキングに勝つことは出来ねぇ。まぁ、俺やコーネリアとかなら話は別だけどな」


グレイスさんの言葉に、俺は心の中でそりゃそうだよなと思った。


今回戦ったオークキングが偶々ステータスがあまり高くなかったのかもしれないが、グレイスさんのステータスは父さん並みに高い筋力と防御力はかなり高い。


オークキングぐらいなら一対一でも十分に勝てるだろう。


「だが、自分より年下のお前がそこまでボロボロにならずオークキングに勝った。あいつもなんとなくお前の実力の高さはわかっている筈だ。

だが、やっぱり心がそれを否定してるんだろうな。そこらへんで葛藤してるんじゃねぇのかな。

後は・・・・・・」


「・・・・・・後は?」


グレイスさんがニヤニヤしながら答えた。


「ミルシェがお前の事を気に入っているからだろうな」


「・・・・・・マジですか」


「おう、マジだマジだ。ほら、お前が言っていた・・・・・・あれだ、シスコンって奴なんだろうな。もう十四だってのに中々姉離れが出来なくてな。まぁ、ミルシェの奴もダンの事が異性として好きっていうんだったらまぁ、話はまた別なんだがな。どう見てもあいつはダンの事を弟としてしか見ていないからな。俺としては出来ればミルシェをあきらめて他の女を見つけてほしいんだがな~~~」


そう言いながらグレイスさんは冷えたエールをグイッと飲んだ。


「ぷは~~。風呂で飲むエールってのもやっぱ良いな。あ~~~、それで俺が結局何を言いたいかつーーとな。自分より年下の奴に力の差を見せつけられ、自分が大好きな姉がそいつの事を気に入っていて嫉妬しまくってるて訳だ」


グレイスさんの説明を聞いて俺はまぁ、納得できなくもなかった。


実際俺にも姉がいるわけだし、どことも知れない馬の骨に姉さんをとられるのは嫌だ。


実力に関しては・・・・・・才能どうこうはいまいちわかんないけど、特訓を始めたのは俺の方がダントツで速いだろうからな、それは仕方ないとしか言えないな。


そこで俺はそれ以上このことを考えるのを止め、グレイスさんのこれまでの魔物との戦いの内容や、ダンジョンでの出来事を聞きながら盛り上がった。

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