第126話少年期[118]残像ってなんかいいよな

「ぜああああぁぁぁぁあああああああ!!!!」


「ブモオオオォォオオオオオ!!!!!」


ゼルートが放った剣術スキルの剛振斬、とオークキングが放った大剣術スキル重撃がぶつかり合った。


筋力的にはお互い身体能力を強化しているので互角だが、オークキングの体格はゼルートの数倍あるため、結果ゼルートが少し押し負けてしまった。


それと、オークキングの大剣には魔法によってつくられた岩が覆ってあり、武器の性能の差もあるだろう。

いくらゼルートが鉄の固さを百パーセント生かした長剣であっても、流石に魔剣の類には勝てなかった。


だが折れないところは流石と言うべきところだろう。


ただ一回押し負けたところでゼルートが止まるはずもなく、地を蹴り再びオークキングに斬りかかった。


だが、今回は少し策を講じた。


「おおおおおおらああああ!!!!」


ゼルートはオークキングに中断の構えから斬りかかったが、先程より速さが多少落ちていた。


オークキングはその理由は分からなかったが、勝機と見て先程より振りを短くしてゼルートを縦に真っ二つにした。


真っ二つにした。確かにゼルートの体は真っ二つになった。


が、ゼルートの体をすぐに消えた。


そして―――――――――


「後ろががら空きだ、ぞ!!!!」


ゼルートが後ろから長剣に纏った魔力をハルバード状にして、オークキングの岩の鎧を斬り裂いた。


斬り裂いたが、魔力の刃はオークキングの背中を少し切りつけるだけで終わった。


「なぁ!! いつの間に!!??」


「ちっ、少し傷を付けただけか」


オークキングは自分が斬り裂いたはずのゼルートが、何故後ろにいるのかが分からなかった。


いや、斬り終わった後にいつのもの斬った感触がしなかったので、自分が斬り裂いた人間は偽物だということは理解できた。


が、いつの間にゼルートが自分の後ろに移動したのかは全く目で追えなかった。


ゼルートがオークキングに斬られる直前に使用した技は、体術スキルで得られる残像という技だった。


元々この技を得るにはある程度の敏捷の高さがないと習得できない技なので、そこに魔力による身体強化を使えばオークキングの目では負うことが出来なかった。


そしてゼルートにまんまと背中をとられてしまった。

結果としては岩の鎧を切り裂かれたが、自身の傷はほとんどなかった。


オークキングは一瞬この事に血を頭に上らせたが、直ぐに頭を冷やし後ろに大きく飛びのいた。


ゼルートは直ぐに追撃した。


だがオークキングがストーンウォールを無詠唱で発動した。

ゼルートはそれを見て魔法で壊そうとしたが、それではつまらないと思いそのまま走り出した。


だが次の瞬間、オークキングが大剣の横腹でストーンウォールを破壊した。


破壊されたストーンウォールの残骸は、全てゼルートにめがけて飛んできた。


数は先程オークキングが使ったストーンバレットより数が多かったが速さはなく、威力もなかったのでゼルートは冷静に対処した。


全てゼルートに向かってきたといっても、全てがゼルートに当たる訳ではなかったので、自分に当たる岩だけを全て撃ち落とした。


そして撃ち落とし終わりオークキングの方を見ると、オークキングの持っている大剣に先程よりも大量の魔力が纏っていた。


そして大剣を纏っている岩も大きく変形し、破城槌の様になっていた。


そしてゼルートに向かって技名を叫ぶとともに、大きく突き出した。


「グランドブラストオオオオオオオ!!!!!!」


そして大剣を覆っていた岩の破城槌が、そのまま大剣を纏っていた魔力を持っていき、大剣からすっぽ抜けた。


ゼルートは直観的にあれは喰らったらまずいと感じた。

流石にアレを喰らっては自分をただでは済まないと。


思ったがやはり避けるような行動はとらず、迎撃態勢をとっていた。


相手が土系統の技で来るなら自分もそれで答えようと思い、ゼルートは即座に長剣を左手に持ち右手に魔法によって作られた岩を纏った。


だがその手はゼルートの拳より何倍も大きくなり、ドラゴンの様な手になった。


「上等だああああああああああ!!!!!」


そしてそのまま自分に向かってくる岩の破城槌を思いっきり殴りつけた。

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