第124話少年期[116]・・・ま、オークだもんな

ゲイルの放った細剣術スキル刺突は、ゴブリンキングが魔斧を握っている指を斬り裂いた。


「がァっ!!!」


「すまないな、できれば真正面からぶつかってみたかったが、その魔斧はゼルート様の土産にしようと思っていたから回避させてもらった。まともに斬り合えばその魔斧に傷がついてしまうかもしれないからな」


ゲイルにとっては至って真面目に答えたつもりだったが、ゴブリンキングはその言葉を侮辱と受けとり本来なら今の一撃で力尽き地面に倒れてもおかしくないはずだが、ゴブリンキングは怒りに身をまかせ無理やり体を動かしゲイルに再び襲い掛かろうとしたが、動きが止まった一瞬をゲイルは見逃さなかった。


「本来なら倒れてもおかしくないはずだが・・・・・・いや、ここは見事と言っておこう。そしてこれで本当に終わりだ」



ゲイルは水を纏った長剣を横に振りぬき、ゴブリンキングの胴体を横一線に斬り裂いた。


「がっ・・・はァ・・・・・・」


「今回の戦いは中々楽しめたぞ、ゴブリンの王よ」


第三者からの視点だと、ゲイルの圧勝に見えるかもしれなかったが、ゲイルはゼルートと同じように自分に負荷をかけながら戦っていたので、余裕に攻撃を躱しているように見えても、実はちゃんと相手の動きを観察、予測してから避けていた。


ゲイルは倒し終えたゴブリンキングから討伐証明部位の右耳と魔斧を回収した。


「ゼルート様はあまり斧は使わない筈だが、魔斧ともなればそれなりに使い道があるだろう。そして肝心の主は・・・・・・存分に楽しんでおられるようですね」


ゲイルは優しい目をしながら、オークキングと楽しそうな表情で戦っているゼルートを見た。


時間はゲイルとゴブリンキングの戦に決着が着いてから、二十分ほど前に遡る。


オークキングは魔物とは思えないほどしっかりとした言葉を話した。


「きさまが俺のあいてか。・・・なるほど。確かにじつりょくはあるようだな」


「へ~~~、実力がある程度把握出来るってことは結構期待して良いって感じかな」


ゼルートはオークキングとの会話中に鑑定のスキルを発動した。


オークキング 30歳


体力 1150


魔力量 560


魔力 530


筋力 1360


防御力 850


敏捷 490


スキル 剛腕大 超絶倫


特技 大剣術レベル7 格闘技レベル4 身体強化レベル5 統制レベル6 投擲レベル4


人言語レベル5


魔法 土魔法レベル4 火魔法レベル2


(ステータスは流石キング種ってところだな。大剣術はレベル7まであるから相当力はあるだろうな。

敏捷は結構低いけど、身体強化がレベル5だから足の遅さはそれで補えるんだろうな。

にしても・・・・・・スキル剛腕大はなんとなく分かるけど超絶倫って、いやオークだからということで納得できるか。

そしてあの大剣。多分魔剣だろうな・・・・・・実際に使う機会があるのかといえば、そうでもないがやっぱり欲しい物は欲しいしな。どれどれ・・・・・・)


ゼルートはオークキングが持っている大剣の魔剣が気になり、鑑定でどんな性能があるのか調べた。


グランゼタード ランク5


土の力が込められている魔剣。剣に魔力を込めれば剣に岩を纏わせることが出来る。


岩の性質変化は個人の力量によって変化する。


剣の扱いが一定のレベルに達すると剣の形状を一つだけ変化出来る。


剣を装備することで使える魔法 ストーンバレット ストーンウォール アースクエイク


(これは・・・・・・前半の効果はそこそこ当たり前だけど、後半の形状を一つだけ変化出来る、っていうのは面白そうだな。でも一つだけってことは最初に選んだやつ以外はもう選べないってことだよな。

それに魔法が三つも使えるってのもいいな。てかオーキングも土魔法使うから相性も良さそうだな)


ゼルートがオークキングが持っている魔剣に感心していると、オークキングが圧倒的に自信がある宣言をした。


「だが、どうやってもお前が俺に勝つことはない」


その言葉に対してゼルートは特に気にせず話を続けた。


「あっそ。まぁ、似たような感じで返すけど、お前が俺に勝つことは絶対にないな」


「ほう、たかが人間のくせにたいしたどきょうだな。それともいせいがいいだけか?」


「魔物のくせに人間の言葉をよく知ってるんだな。あと、お前それって自分のこと言ってるのか」


ゼルートは絶対的な余裕があるため、オークキングに挑発されても一切乗ることはなかったが、オークキングは余裕こそあるものの、器は小さく直ぐにゼルートに襲い掛かった。


「ころす!!!!!」


身体強化で底上げされた力と、岩を纏った大剣の一撃、当たれば無事では済まないがゼルートはそれを片手で受け止めた。


だが、ただ受け止めたのではなくオークキングが使っている魔剣の様に、手に岩を覆わせて身体強化もしっかりと使っていた。


「なっ!!! お、俺の一撃がっ・・・・・・」


「やっぱ力は強いな。そんじゃ次は俺の番だ、なっ!!!!」


ゼルートは拳を握りしめ拳に魔力を纏った。

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