第103話少年期[92]久しぶりの再会?

「そう言えば少し疑問に思っていたことがあるのだけど、聞いてもいいかしら?」


「ん? 別にいいけど・・・・・・どうしたんだそんな真剣な顔して」


「いえ、そんな重要ことではないと思うのだけれど、少し聞いておきたくてね」


(なんだろうな・・・・・・別にそこまで隠し事があるわけじゃないし、その隠し事も基本ばれない隠し事だからな)


ゼルートは自分がアレナに隠していることを思い出すが、ばれることがない、というよりそもそもアレナが知らない事なので、ばれようがないと思っていた。


アレナは意を決したようにゼルートに訊いた。


「ルウナは貴族、もしくは王族の子供なの?」


その言葉を聞いたゼルートはかなり驚き、なんで分かったんだという思いが尽きなかった。


別に罪悪感はない。でも、なんで分かったのかがもの凄く不思議に思った。


(ルウナには悪いけど、貴族や王族らしいところは基本ないんだよな。自分の欲望にも忠実だし喋り方も一切貴族っぽくないからな。ん~~~

どの部分で気づいたんだ?)


アレナはゼルートが何故自分がルウナの事を貴族か王族の子だってわかったのかを考えているのを察し理由を話した。


「なんで分かったのかって顔をしてるわね。理由は・・・・・・・・、簡単に言うと感よ」


それを聞いたゼルートは口を開けたまま固まった。


「ふふっ、そんな驚くことではないと思うわよ。私はあなたの奴隷になるまではAランクの冒険者だったのよ。依頼や、指名依頼で貴族と会うこともそこそこあったわ。だからなんとなくわかるのよ。貴族にだって典型的な貴族だけじゃなく、変わった貴族の人もいるのよ。でもそんな人でもしっかりと貴族としての貫禄といえばいいのかしら? そういうのがあるのよ。だからなんとなくルウナが貴族か王族の子供じゃないかって思ったのよ」


なるほどな~~~とゼルートは感心していた。感というよりは冒険者として培った感覚と言うべきだろう。


そこでアレナはゼルートをからかうようなことを言った。


「でも、ゼルートからはそういったものはなかったわね」


「・・・・・・それは悪かったな。ぶっちゃけ貴族らしい生活なんて殆どしてなかったからな。毎日特訓か遊んだりって日々だったよ」


「そんなに怒らないでよ。からかっただけじゃない」


「怒ってないよ、ったく。そろそろ時間だしルウナを起こしてきてくれ」


「ふふ、わかったわ」


アレナが宿の中に戻るのを見てからゼルートは大きなため息をついた。


「は~~~~。やっぱああいう年上の女の人に敵わないな。別に何か騙されたとかじゃないけど、手のひらで遊ばれてる気がする」


時間は朝の九時になっていた。


ゼルート達は朝食を済ませ、街の門近くで出発を待っていた。すると近くから声をかけられた。


それはゼルートが良く知る声だった。というか昨日聞いたばかりの声だ。


「お久しぶりです主よ」


「おうゲイル、久しぶりだな! 元気にしてたか?」


「ええ、まぁそこまで刺激のない日々ですが、ラームやラルもいるので退屈はしていません」


「そうか、それはなによりだな。っと、紹介がまだだったな」


ゼルートは後ろを振り返りゲイルにアレナとルウナを紹介した。


「二人が昨日話たアレナとルウナだ」


アレナとルウナはゼルートに紹介それ、それぞれゲイルに自己紹介をした。


「初めましてゲイル・・・・・・でいいかしら。名前はアレナゼルートの奴隷よ。一応これでも奴隷になる前はAランクの冒険者だったから剣と魔法両方そこそこ出来るわ」


「次は私だな。名前はルウナルウナと同じくゼルートの奴隷だ。見てわかると思うが狼の獣人だ。一応剣は使えるが拳で戦う方が得意だ」


二人の自己紹介を聞いたゲイルは満足そうな顔をしていた。


「ふむ、二人ともなかなかの強さですね。それで主よ、どちらの方を妻にするのですか」


いきなりぶっこんで来たゲイルにゼルートはチョップをかました。


「アホっ! なにバカなこと聞いてんだ、初めて会うのになんつーこと聞いてんだお前は」


ゼルートのチョップを喰らったゲイルは頭をさすりながら言った。


「ですが二人とも強さ良し、見た目良し、そしておそらく器量、性格を良し。主の妻になるのに文句なしだと思いますが」


真面目な顔で言ってるから尚更悪い。が、ゲイルに悪気は一切ないので、ゼルートはきつく言うことも出来なかった。


その様子は見ていた二人もゼルートに声を掛けた。一人はからかい半分、本気半分で。もう一人はいたって真面目だった。


「あら、もちろんいつでも手を出してくれてもいいのよ」


「うむ、私も戦いの最中でなければいつでも構わないぞ」


二人からストレートに言われたゼルートは顔を赤くし周りに聞こえない程度の声で言った。


「だーーー、頼むからそういうのをこんなところで言うな!」


童貞のゼルートに辛すぎる二人のセリフだった。

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