第91話少年期[81]無事帰還

ゼルート達はゼルートが魔法で作り出した四輪車で朝早くに出発した。


四輪車の速度は通常の馬の二倍ほどの速さなので、昼過ぎにはドーウルスに着いた。


ちなみに魔法で作られた四輪車に乗ったゼルートとルウナとアレナ以外は、皆驚いているか興奮していた。


そしてもちろんセイルは寝たまま。


「ゼルート、そろそろ街に着くから一旦ここで降りるぞ」


「わかった。それじゃぁ、一旦止まるぞ」


ゼルートはゆっくりとスピードを落とし、魔法で作られた四輪車を止めた。

ガンツが先に降り、次に子供達そして俺達といった順に降りた。


それから真っ直ぐに街の門へと向かった。


「いや~~~、にしても今回はかなり楽だったがその分、次からの依頼での道中に不満を感じることが多くなるだろうな」


ガンツは満足そうな顔をしながらも、次から受ける依頼が不安だという顔をしていた。


「別にそんなことは・・・・・・あーー確かに野営で温かい飯が食えなくなったりするだろうな」


「そうだ! しかもお前が持ってるアイテムバック時間が経たない超レアなアイテムバックだろ!」


「? そうなのか。俺は前も言ったとうり父親から貰ったからな。そこら辺の事はいまいちわかんないんだよ」


ゼルートの言葉を聞いたガンツは、こいつ何も分かってないという顔をしながら説明し始めた。


「普通な、アイテムバックは時間が入れた物の時間が止まったりはしないんだよ。どんなに腕の良い錬金術師が作っても、時間の流れを三分の一にするのが限界だ。

そんでお前が持っているアイテムバックはダンジョンに入っても、なかなか手に入らない程レアなアイテムバックなんだよ。時止めのアイテムバックを持っている奴なんざそうそういないだろうな。

まぁ、中に入る量にもよるが、とりあえずお前が持っているアイテムバックはとんでもなく高価な物だと覚えておけよ!」


「わかったわかったから顔が近いっつーのガンツ」


ガンツの説明を聞いたローク達もうんうんと頷いていた。


(あ~~~、こりゃ自分で造ったなんて絶対に言えないな)


門の前に着くとマッルスがゼルートに話しかけてきた。


「やあ、ゼルート君Dランク試験お疲れさま。Dランクにはなれそうかい」


「そうだな・・・・・・とりあえず盗賊のリーダーを倒したりもしたから、落ちるという事はないとは思うんだけどな」


「盗賊のリーダーを倒したのなら合格の筈ですよ。っとそういえばお連れの従魔達はどうしたんですか?」


マッルスは不思議そうにゼルートの周りを見ながら言った。


基本従魔を自分の傍に置かない冒険者はいない。もし自分の従魔が問題を起こした場合、その責任は従魔の主の冒険者に降りかかるからだ。


「ああ、俺の従魔達は皆ちょっと好戦的だから強い奴を倒しに旅に出てるんだよ。

それに頭もいいから騒ぎを起こしたりしませんよ」


「そうか・・・・・・ならいいが、とりあえずお疲れさま。今日一日はゆっくり休みなよ」


「そうさせてもらうよ」


ゼルート達はギルドカードを見せ中に入り捕まっていた人達と別れ、ギルドに向かった。


ギルドに入るとガンツが受付嬢と話しをしてからギルドの一室に案内された。


「さて、本来ならここで今回の試験の結果発表をしたいんだが、そうもいかないのは皆わかってるよな」


ガンツの問いにゼルート達は苦笑いをした。


「そういうわけでゼルート。お前には少し迷惑をかけることになるがいいか?」


「こいつと決闘をして、実力の差をわからせるって感じだろ」


「ああ、それが一番手っ取り早そうなんでな。セイルには俺から話しておくから今日はゆっくりと休んでいてくれ」


それから一旦解散となりゼルートは明日の十二時にギルドに来てくれとガンツに言われた。


(実力の差をわからせるんだからただ倒すってだけじゃダメなんだろうな~。どうしたらいいか後でアレナに訊いてみるか)

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