第80話少年期[71]責任があるのってやっぱ嫌だよな

「なぁアレナ。少し話があるんだけど」


俺は周りに聞こえないように小声でアレナに話しかけた。


「あのセイルっていう少年のことかしら?」


・・・・・・どうやらアレナも俺と同じように考えているみたいだな。


「まぁ、そうなんだけどさ。アレナもなんとなくわかるか」


「ええ、あれはこの試験中に十中八九、どこかで暴走するはずよ」


「だよな・・・・・・まだモンスターとの戦闘中で獲物を横取りしてくるくらいなら別に構わないんだけど、盗賊を討伐してる最中に暴走されたらちょっとな」


「そうね。ゼルートやルウナ、私は問題ないだろうけど、向こうのパーティーの内誰かが怪我を負う。または・・・・・・死ぬ可能性もあるはずよ」


そこなんだよな~~~。あいつが勝手に暴走して死んでもぶっちゃけなんとも思わないが、他の奴らは別に嫌いってわけじゃないしな。


今では俺の実力は認めているみたいだしな~~~。


「このことをガンツに言っても意味は・・・・・・」


「・・・・・・多分無いはずよ。いや、言っておかない方が良いというわけじゃないけど、今試験中に試験監督が手を貸すことはないわ。

手を貸したら試験の意味はないからね」


だよな・・・・・・とりあえず向こうのセイル以外の奴らに被害がいかないように気をかけとくか。


「一応この事をルウナにも話しておいてくれ」


「わかったわ」


この後は何も面倒事は起きず目的地の近くで野宿することになった。


昨日で同じ飯を食ってテントをマジックバックから出して寝ようとしたらガンツに止められた。


「お前ら今日は寝る前に明日の盗賊の討伐について話し合う。といっても俺は話し合いに参加するわけではないがな。そうだな・・・・・・ゼルート、お前が今回の作戦のリーダーだ」


ガンツがいきなり俺をリーダーに指名してきた。


「・・・いやいや俺一番年下なんだけど。それならアレナでもいいじゃん」


「普通ならそうなるだろうが一応お前の奴隷という扱いだからな。ギルドの暗黙のルールで奴隷にリーダー等は任せないんだよ」


俺はアレナに目でそうなのかと視線を送ったら、そうよという視線が帰ってきた。


「はぁ~、わかりました・・・・・・」


俺が了承しようとしたらまたセイルが邪魔してきた。


「俺はこいつがリーダーになるのは反対です」


こいつ・・・・・・本当に面倒だないっそ試験期間中だけ気絶させておこうかな。


俺がちょっとダークなことを考えていると、ガンツがセイルに厳しめに返した。


「ならお前がリーダーになるか?

リーダーになるからには他の奴らの命を預かるということだ。お前にその覚悟と強さはあるのか。

盗賊の統領が予想よりはるかに強くても恐れずに立ち向かえるのか?」


「そ、それは・・・・・・」


セイルはガンツに言われたことに反論することが出来なかった。


「言っておくがゼルートは一度盗賊団を潰したことがある。それも賞金がかかっている奴をだ。

強さも申し分ない。それでもまだ何か言いたいことはあるか?」


「っ! ・・・・・・いえ。ありません」


セイルは何か言いたそうな顔をしていたが言うのをやめた。


「よし、ならば明日に備えて各自準備をしておけ。以上だ!」


こうして話し合いが終わったわけだが・・・・・・絶対に面倒なことが起きるよな。


セイルの奴が功を焦って盗賊のリーダーを倒しに行ったりとかありそうだな。


まぁ相手のステータスを見て相手がセイルより一回りくらい強い奴だったら、一回痛い目を見てもらってから助ければいいか。


それと一応リーダーになったんだし何時攻めるとか考えておいた方がいいだろうな。

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