第77話少年期[68]俺ってやっぱ運良いよな。

Dランクの昇格試験二日目。


ゼルートは一番早く起きていた。理由はもちろん朝の鍛錬のためだ。


「さてと、始めるとするか」


最初は前世でも行っていた準備運動から始まり剣術と体術の技の確認。


そして魔力操作、最後に前世であった格闘技を使ったシャドー。

格闘技に関しては創造のスキルを使って、格闘技の本を創った。


基本はボクシングと空手にムエタイの練習をしている。柔道も覚えようかと思ったが、生身の練習相手がいないと技の練習が出来なさそうだったのでやめておいた。


そして全ての鍛錬が終わった頃にガンツが声をかけてきたきた。


「なるほどね~~、こりゃDランクやCランクの冒険者たちが遊ばれるわけだ。

しっかしいつからこの特訓つーか修行? を始めたんだ?」


ゼルートは記憶をさかのぼりガンツの質問に答えた。


「いつからか・・・・・・前に言ったかもしれないけど、父親と母親が冒険者だったから俺が冒険者になるって言った次の日から、いろいろ教えてくれたんだ。確か六歳くらいかな。それで、体も大きくなっていくにつれて鍛錬の内容も変わっていって、今の鍛錬を続けるようになったのは十歳からだったかな」


「は、は、は、・・・なかなかのスパルタだな。

しかし六歳から特訓か・・・俺ならすぐにやめちまうだろうな」


ガンツは自嘲気味に笑った。


そしてそれからはルウナ達が起きるまで永遠とガンツが質問をしてきた。

もちろん全てに正直には答えず、ところどころはぐらかして答えた。

そして三十分後くらいにルウナ達が起きたので朝食に入った。


そしてなぜかガンツは当然のように俺達と一緒に朝飯を食っていた。


「ふっ、!」


アレナの斬撃でグレーウルフの頭と体がさよならした。


グレーウルフの数は十一匹と少しと多かったが、アレナは身体強化や剣術スキルの技を使わずに二十秒とかからず倒した。


「ふ~~~、やっぱりグレーウルフ如きでは、あっけなさすぎるなわね」


「しかたない、ここに出てくる魔物のランクなんてせいぜいFかEぐらいだからな。

それより次は私が戦ってもいいんだったなゼルート」


「ああ、もちろんだ。だけどその次は俺の番だからな」


俺達の会話に、ガンツはやっぱりなという顔をしていた。


セイル達は顔をポカーンとさせていた。いや、確かあいつは・・・・・・ロークだったか? は目をキラキラとさせながらアレナを見ていた。


装備からして戦士っていうよりは剣士って感じっぽいから、アレナの剣を見てどれだけ自分より高見にいるのかが分かったって感じかな。それで・・・・・・若干惚れちゃったのか?


なんか頬が赤くなっているし。






それからは特に面倒なことは起きずに、ルウナがゴブリンリーダーとゴブリンたちを手甲を腕に着けてぼこぼこにしてた。


ゴブリンリーダーに放った上段蹴りはえぐかったな。


顔がへこむとかじゃなくて首がすっとんでいったからな。


さすが獣人って感じだったな。


俺の番に出てきたのはなんと運よく、DランクのなかでもCランクに近いと言われているスケイルグリズリーだった。


スケイルグリズリーは体が装甲のように固く、刃を容易に通さない。ランクの低い武器だと折れてしまうこともある。


そして弱点は火属性の魔法らしいがファイヤーボールぐらいでは少しのダメージしか与えられないって本に書いてあった。


冒険者になった者が少し力をつけて大きく成長した気になって、スケイルグリズリーに挑む者が多いらしいが、ほぼほぼ殺されてしまっているので初心者殺しとも呼ばれている。


普通に考えれば遠距離から魔法を放つのが常識だが、俺はあえて真正面から体術で挑んだ。


セイル達がなんか騒いでるが、俺は無視してスケイルグリズリーの方に走った。


スケイルグリズリーが腕をぶん回してきたので、それを受け止めずに受け流して攻撃に移ろうと思ったが、そのまま回転してもう片方の腕をぶん回してきた。


それの繰り返しが続いた。


「なるほどな。多少は知性があるみたいだな。なら、無理やり行かせてもらうぞ!!」


俺は近ずいてきた腕を軽くジャンプして躱してその腕を地面に殴りつけた。


魔物にも痛覚はあるので、そこでスケイルグリズリーの攻撃が一瞬止まった。


俺はその隙をついて拳に軽く魔力を込めてジャブを三発とストレートを一発ぶちかました。


スケイルグリズリーは十メートルほど吹っ飛んでから木に激突した。


今の殴った感触的に骨が砕けたなのでそろそろ終わりだろうと思っていたら、スケイルグリズリーが魔法を発動した。


「はっ、俺はとことん運が良いみたいだな」

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