第75話少年期[66]不安しかないな

俺達は今街の外でDランクへの昇格試験のために集まっている。


ちなみにまだ朝の七時だ。


なんでも予定の時間に全員が集まってから今回の試験内容について説明するらしい。

俺としては、昨日のうちに終わらせておいた方が良かったんじゃないかと思うんだがな~。


「そういえばアレナの時はどんな試験内容だったんだ?」


「私の時は、というよりDランクの昇格試験は盗賊の討伐と決まっているはずよ。Dランク以上になると盗賊と戦闘になることが多くなるし、むしろそういった依頼も出てくるの。

だから今回の試験で人を殺すことを経験させておくのよ」


「なるほどね・・・・・・」


まぁ、確かに人を殺す経験はしておいた方がいいだろうな。

いざって時に人の死体を見て震えていたり、吐いたりしてる時に殺されましたなんて話にならないからな。


俺はどうだったのかだって?


前世でそういう画像とか見たことあるし、こんな世界に来たんだから、いずれ人を殺したりしなきゃいけないんだろうなとか考えてたりしてたしな。

まぁ、良い気持ちにはならなかったな。


後、あの生臭さはちょっと嫌だな。今度嗅覚の遮断でも覚えようかな。


「ルウナはそこらへん大丈夫か?」


「ああ、まだ子供の頃に父に戦場に連れて行ってもらったことがあるからな。それに人であろうと悪は悪だ。そこに躊躇いはない」


「・・・なるほど。ルウナらしい考えだな」


そこへガンツが大きな声を出しながら歩いてきた。


「おう、来るのが早いなゼルートにルウナちゃんにアレナちゃん!」


「ガンツのおっさんは少し来るのが遅いんじゃないのか? 試験監督ならもう少し早く来るべきだろう」


「ハッハッハ! 悪いな、昨日ついつい酒を飲みすぎちまってな、勘弁してくれ」


おいおいおいおい。試験監督がそんなんでいいのかよ。

もうちょっとしっかりしてくれよ。

まっ、とりあえず聞いておきたいことを先に聞いておくか。


「なぁガンツのおっさん。正直言ってあいつらは大丈夫なのか?」


「あ~~~その様子だと試験内容は知っているみたいだな。それとお前はもう人を殺したことがあるってことだな」


「ああ、この街に来る途中に盗賊相手にな」


「なるほど。たくっ、若いくせにいろいろ経験してんなお前は。

それでセイル達の実力についてだったな。

そうだな・・・決して悪くはない。むしろルーキー達の中では実力は高い方だろう。

特にセイルのヤツはドウガンの火炎大切断を、自分なりにアレンジして炎の斬撃を飛ばす技を身に着けたとも聞いたしな。他の奴らもそれなりに戦えるはずだ。だが、精神面の方ではどうか今一つわからん」


やっぱそうだよな~。


まぁ、そこで戦闘に支障が出た場合は俺がカバーすればいいか。

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