第65話少年期[56]どれくらいで落札されるんだろうな?

「まずラッキーティアスクワロ、名前が長いから結晶で話を進めるわね。その結晶をあなたはどうしたいの?」


どうする、か~~~。やっぱりオークションとかで売るのが一番良いんだろうな。


でもラルがマジックアイテムにも使えるとか言ってた気がするから、多少は残しておきたいな。


「オークションはこの一ヶ月以内にこの町でありますか?」


「ええ、もちろんあるわよ。一番早いのだと三日後かしら」


三日後って随分と早いな。俺としては別に都合がいいから良いんだけどさ。


「ならオークションで売ろうと思います。お金があることにこしたことはないんで」


「そう、わかったわ。後で紹介状をイルーネに渡しておくから受け取ってちょうだい」


「わかりました。用件はこれで終わりでしょうか?」


「ええ、もう終わりよ。あ、一ついいかしら」


「何ですか?」


「これから私と話すときは、あなたが冒険者相手に話す口調で話なさい」


・・・・・・なんか意図があるのか? でも猫被んなくて良いなら楽だしそうさせてもらうか。


「わかった。これからよろしく頼むよギルドマスター」


「こちらこそ頼むわゼルート」


いや~~~にしてもあの人本当に・・・なんというか、エロかったな。胸もでかかったし、男にとっては目の保養にもなるが、ある意味毒でもあるな。


多分あの人と会った男は、話が終わった後必ず娼婦に行くんだろうな。


などなど考えながら、俺はイルーネさんからオークションの紹介状とランクアップしたギルドカードを貰って帰ろうとしていた。


「おう、ゼルートじゃねえか! ギルドマスターに呼ばれたみたいだが、なんかやらかしたのか?」


ガンツが冗談半分で話しかけてきた。


・・・・・・やらかしたか。あながち間違ってはいないんだよな。


あってるが全部話さなくてもいいか。


「ちょっと珍しい素材を手に入れたからな。その素材をどうするのか聞かれたんだよ。

もしオークションに出すなら紹介状を書くがどうするとも聞かれたから、一応書いてもらったんだよ」


「ほ~~~、オークションに出せるほど良い素材なのか? うまくいったら晩飯ぐらい奢ってくれよ」


「自分よりランクが下のやつに奢らせるなよ。

でもうまくいったら飯ぐらい奢ってやるよ」


「おっ! 本当か!? 約束だぞ。忘れんなよ!」


「ああ、忘れずに覚えておくよ」


ったく。いつもテンションが高いなこのおっさんは。まあ、悪い奴じゃないから別にいいんだけどな。


「ああ、それとゼルートにとってあんまり良くない情報があるぞ」


「俺にとって良くない情報、か。厄介事になりそうな情報か?」


「厄介事か・・・確かに厄介事かもしれないな。とは言ってもゼルートだったらすぐに終わりそうな事かもしれないけどな」


「・・・・・・調子に乗ってる新人が俺に突っかかってくるとかそんな感じか?」


とは言っても、このギルドでの新人とか一人も知り合いがいないから分からないんだけどな。


「概ねあってるな。お前この前の決闘でドウガンの奴を倒しただろう」


ドウガン・・・ドウガン・・・ドウガン・・・。


「ああ~~~。ツルツル顔真っ赤おじさんのドウガンか」


”ブーーー” と酒を飲んでいた冒険者達が吹き出して笑い始めた。


良く見ると受け付けの人たちまで笑っていた。


「そ、そうだ。その、ツルツル顔真っ赤おじさんであってるぞ」


ガンツも笑いを堪えながら話していた。


にしてもそんなに面白いかツルツル顔真っ赤おじさんって名前が?


いや、名前じゃなくて二つ名か。


二つ名がツルツル顔真っ赤おじさん・・・


ぶっ! た、確かに笑ってしまうな。


「それでそいつがどうしたんだ?」


「あいつはあん時はお前に絡んできたが、基本は面倒見が良い奴なんだ。良く入ってきたばかりの新人達にいろいろ教えていたりしてたんだ。

それでそいつが面倒をみた内の一人に新人にしてはそこそこ強い奴がいたんだが・・・そいつがそろそろ自分が住んでいた村から帰って来るんだよ」


「家族に近況でも伝えに行ってたということか?」


「多分それであってる筈だ。そいつの名前はセイルって奴なんだが、かなりドウガンの奴を慕ってるんだよ」


「つまりドウガンに恥をかかせた俺に、何かしらの理由で絡んできて決闘にでも持ち込もうとしてくるってことか」


「多分そうだろうな・・・・・・」


ドウガンが面倒を見ていたってことは多分Eランクぐらいか。


そこまで警戒する必要はなさそうだな。


「情報ありがとなガンツ。これで酒でも飲んでくれ」


俺は情報料ということで銀貨一枚を渡した。


「おう、悪いな。まあそういうことだから近い内に面倒事があると思うぞ」


「その時はその時で楽しませてもらうさ」


その言葉に若干ガンツが呆れた顔をしていたのは、気のせいではないだろう。

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