第53話少年期[43]勝者は・・・・・・

オークジェネラルの速さ、技の威力は一向に落ちてはいない。むしろ少しずつ上がっている。

だがそろそろ体力が限界だ。これ以上グロイアスと乱打戦をしていても体力切れでグロイアスの勝ちだろう。

オークジェネラルもそれを悟ったのか、後ろに大きく飛び最後に賭けに出たようだ。


「ブ、モオオ、オオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


拳に纏っていた炎がさっきまでの五倍ほどまでに膨れ上がった。本当に最後の最後の賭けに出る技といったところか。

この後の攻撃を躱し、綺麗にカウンターを決めて終わらせるだろう。そんな決着を俺は見たくはなかった。

なのでグロイアスに俺のわがままを言った。


「グロイアス!!! 真正面から返り討ちにしてやれ!!!!」


グロイアスはカウンターで決めようという考えを消し主の命令を実行するため作戦を切り替えた。

残りの魔力残量のことは一切気にせず足と拳に風の魔力を纏った。

拳に纏っている風は螺旋回転しており文字通り、相手の命を奪うための拳になっている。


そして準備が整った両者が駆け出した。


「ブモオオオォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」


「・・・・・・ッ!!!!!!!!!!!!!!!!」


オークジェネラルは今まで一番の雄たけびを上げ、グロイアスも表情に変化はないが、気合いが入っているように見えた。


オークジェネラルの炎を纏った拳の一撃と、グロイアスの螺旋回転を纏った拳の一撃はどちらもかなりの威力になっている。

グロアイスの一撃は勿論オークジェネラルの命を吹き飛ばす威力がある。そしてオークジェネラルの一撃も当たり所が悪ければ、グロイアスの機能が停止して動かなくなるだろう。頭にもろに当たれば砕けはしないが、ちぎれて後ろに吹っ飛んでしまうかもしれない。


そんな一撃を持つ両者の拳が激突した。




衝撃により吹き荒れた土煙が晴れ立っていたのは・・・・・・グロイアスだった。

オークジェネラルの死体は、右腕が半分ほどなくなっており、頭部も消し飛んでいた。


グロイアスの勝因はというと・・・・・・まぁ、技術の差だった。

拳と拳が激突する瞬間に足に纏っていた風の魔力を即座に拳に送り込み踏ん張るという行動を捨て攻撃に全てを使った。

結果、グロイアスが競り勝ち右腕を半分吹き飛ばしそのまま勢いを落とさずオークジェネラルの頭を打ち砕いた。


(いや・・・・・・まぁ、真正面からぶつかったんだし小細工とも言えないものだよな。本当、今日は良いものを見せてもらったな。追い詰められた獲物ほど怖い物はない、か・・・・・・まさにその通りだったな。グロイアスは基本体力は無尽蔵だけど魔力は有限だ。その魔力がすっからかんだ。最後の一撃は本当に本気の一撃だったわけだな)


その証拠にオークジェネラルの後ろの地面や木々が、かなり抉れている。螺旋回転の風を纏った一撃(技名スパイラルブロー)の余波によるものだ。


にしても・・・・・・そんな余波があるのにオークジェネラルの体がそんな抉れていないってのは、自分で造っといて言うのもあれだが器用だな。



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