第43話少年期[33]才能という壁

何て声をかけたらいい・・・・・・か。

正直言って、わからないというのが本音だ。


前世では本当に凡人だった俺は、人の才能を妬む側の人間だった。

才能のある人間から励ましや、慰めの言葉を貰っても正直不愉快なだけだ。

今の俺が才能があるかどうかは、いまいちわからないが、自分を鍛えるのが圧倒的に速かったため、皆のかなり先を行っている。実力は自分でもある方だと思う。そしてスキルにも恵まれた。


そんな俺が今のゴーランに何か言ってもただ、ストレスが溜まるだけだろう。

というか今日、ちょっときつく言ってしまったしな。余計にだめだ。


それにまず根本的な理由が二つあるんだが、そのうちの一つが結構俺に関わっているからな。

まずは単純な才能の問題。ゴーランが決して才能がないというわけではない。まだ開花していないという可能性も十分にあるだろう。

だが、現時点ではゴーランが一番才能が低い。ゴーランはまだ分かっていないかもしれないが、薄々感じている可能性はある。

なので慰めの言葉を掛けるにしても、スレンでもう~~~ん、ちょっとな~~~って感じがする。

魔力を武器に纏わせるのと、属性付きの魔力を纏わせるのはかなりの差があるからな。


そして二つ目・・・・・・ゴーランがリルのことが好きだってことなんだよな。

リルが俺の事は好きなのはなんとなくわかる。鈍感系の主人公ではないので、なんとなく好意を寄せられているのは気づいている。前世の俺なら告っていたかもしれないが、今の俺は家を出てからの冒険者人生に夢中なので、贅沢なことに今はそういうことに興味はない。

そしてゴーランは、リルが俺の事が好きだというのに感づいている。


てなわけで俺があいつに何か言ったとしても、百パーセント怒らせてしまい仲がこじれるだけだ。

流石にそれは嫌なので、俺は何も言わないと決めた。

というか俺がゴーランの立場だったら絶対に怒ってしまう自信がある。


そんなわけでスレンが適任と言えば、適任なんだが・・・・・・・・・・・・正直これまた微妙だ。

スレンは俺の兄さんみたいに、かなりのハイスペックだ。

顔はそろそろイケメンといえるくらいに、可愛いを抜け出しかっこよくなってきた。そしてモテる。

剣士としての腕もゴーランより上。魔力量に関しては鑑定眼で見たわけではないがおよそ、ゴーランの七倍から十倍ほどの差があるだろう。というか魔法使い並みにある。


言い方は悪いがゴーランのスペックは、スレンに比べるとほとんど劣っている。


そういうことを踏まえて、俺はスレンがどう言えばいいか考え抜いた結果・・・・・・・・・・・・かなり少年漫画っぽい案しか思いつかなかった。


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